縄文時代の暮らし再現しよう! 豊科東小6年生が竪穴住居や土偶作り 長野県安曇野市
竪穴住居を校庭に造り、そこで掘り出した粘土で土偶に似た素焼きの人形を作ろう―。縄文時代にタイムスリップしたようなユニークな総合学習を、長野県安曇野市の豊科東小学校の6年生28人が行っている。校庭の隅に竪穴住居の骨組みが出来上がり、わらぶきの屋根を検討中だ。25日には陶芸・漆芸作家の布下翔碁さん(33)の指導の下、親子で粘土を成形した。 「校庭の粘土で大切な人の形を残そう!」をテーマに、図工室で親子が向き合って制作した。ペットの猫を抱く母、ゴジラをまねて歩く息子など、互いの特徴的な姿を想像し、夢中で形を整えた。 男子児童は「自分で掘った土なので完成が楽しみ」、児童の母親は「親子で二つの作品というのがいい。(息子が)6年間過ごした学校の土で作る体験はいい思い出になる」と話した。 発端は、歴史の学習を始めた6年生からの「昔の家を作りたい」という提案だ。稲のはざ掛け用の棒を地元農家から数十本譲り受け、かやぶき専門業者にひもの縛り方を学んで、自分たちで柱を組み立てた。 穴を掘った時に粘土のような土が出て「土偶ができるかも」と話していたところ、芸術家を市内に招いて創作活動を支援する市と東京芸大との連携事業に参加する布下さんに出会い、粘土の精製や陶芸を教わることになった。来月上旬には、縄文人さながらに校庭でたき火をし、人形を焼き固める。完成後は竪穴住居に並べて飾ることを検討している。 大作を作り上げる一連の取り組みを通して児童の団結力が高まり、普段目立たない子が意外な活躍を見せる場面もあるという。布下さんは「土地とのつながりは大事だ。大人になって作品を見た時、学校での6年間の記憶がよみがえるものであってほしい」と話していた。
市民タイムス