【MLB】MLB機構がさらなるルール変更を検討中 その名も「ゴールデンアットバット」 米メディアが報じる
MLB機構はここ数年のあいだにピッチクロック、ワンポイント禁止(スリーバッターミニマム)、守備シフト制限、牽制回数制限、ベースサイズ拡大、ユニバーサルDHといったルール変更を次々に実施してきたが、ほかにも導入が検討されている新ルールがあるようだ。米メディア「ジ・アスレチック」のジェイソン・スターク記者は、ロブ・マンフレッド・コミッショナーらが検討している新ルールの1つとして「ゴールデンアットバット」について紹介している。 2024年シーズンの主要アワード受賞者まとめ そもそも「ゴールデンアットバット」とはどのようなルールなのか。簡潔に説明すると、1試合に1度だけ、好きな選手を好きなタイミングで打席に立たせることができるというルールである。たとえば9回裏二死満塁、一発出れば逆転サヨナラの場面で9番打者に打順が回ったときに主力打者を打席に送る、といったケースが考えられる。スターク記者は「7回以降に限定する」や「負けているチームに限定する」など、権利を行使できる場面を限定したうえでの導入についても言及している。 マンフレッド・コミッショナーによると、新ルールとして検討されている「ゴールデンアットバット」は直近のオーナー会議でも「少し話題になった」そうだ。ただし、あくまでも議論の途中であり、実際にテストが行われるといった話にはなっていない。正式なルールとして導入される前には、マイナーリーグや独立リーグでのテストが行われるはずであり、現時点でその兆候すらないというのは、「ゴールデンアットバット」の導入までにはまだまだ時間がかかるということを示している。 重要な場面で下位打線の選手がヒットを打ち、新たなヒーローが誕生するのも野球の醍醐味の1つであり、「ゴールデンアットバット」の導入によってそうした楽しみが失われてしまう可能性はある。また、主力選手により多くの打席が与えられることによって、これまでの通常シーズンのなかで作られてきた数々の記録が危機にさらされる可能性もあるだろう。野球というスポーツそのものを大きく変えてしまう可能性があるルールであり、もし導入するにしても、最終的な決定までには慎重な議論が必要になりそうだ。