「キャリアを手放す後悔はなかった」手塚理美 ふたりの息子が大人になって振り返る子育てに専念したころの生活
話題のドラマに次々と出演していた手塚理美さん。順調なキャリアを歩みながら、出産後は、子育て中心の生活へ。「生命の神秘を知りたい」と育児に向き合います。息子たちの反抗期、そして成人になってから。貫いた子育ての道がありました。(全4回中の2回) 【画像】これは理想的!大人になっても仲良しな手塚さんの親子デートの様子 ほか(全12枚)
■「キャリアを手放す後悔はなかった」望んだ子育ての道 ── 30歳で出産し、お子さんが独立されるまでは、子育て中心の生活だったそうですね。『ふぞろいの林檎たち』など、話題のドラマに次々と出演され、順調なキャリアを重ねていた時期に、仕事をセーブすることに迷いはありませんでしたか?
手塚さん:そういう気持ちはまったくなかったですね。いまも、あのときの選択に悔いはありません。昔から子どもを産んで育てることが、人生で一番やりたいことだったんです。自分のお腹のなかで、どんなふうにして子どもが育っていくのか、生命の神秘を知りたいという気持ちがありましたね。 ── 自分にとって大切なものが明確だったのですね。 手塚さん:母が22歳のときに私を産んだこともあって、本当はもっと早く子どもが欲しいと思っていたんです。年齢が若いと未熟な面もあるけれど、体力的にはラクですし、早めに子育てを終えて、自分の人生を謳歌するのも楽しそうだなと。
それに、10代のころから芸能活動を続けてきて、ずっと決められたレールの上を走ってきた感覚があり、せめて自分にとって一番大切なものだけは譲りたくない気持ちもありました。ですから、子どもが高校生になるくらいまでは、家を空けるような仕事はすべてお断りしていましたね。 ── 芸能界に執着があまりなかったのでしょうか? 手塚さん:それもあったかもしれませんね。ただ、「いまがグラついていたら、何も残らない」というのが、私の考え方です。いまをちゃんと生きていれば、必ずそれが未来につながっていくと思っていて。
子育ては地に足がついていないとできないので、子どもが20歳になるまでは、なによりも優先して過ごそうと決めていました。それが、いずれ必ず演技にも生きてくるだろうと。どんな暮らしをして、どういうふうに歳を重ねていくかは顔やたたずまいに表れます。女優という仕事は、経験がすべて反映されると思うんです。