「キャリアを手放す後悔はなかった」手塚理美 ふたりの息子が大人になって振り返る子育てに専念したころの生活
逆に、長男は私と趣味があまり合わないらしく、散歩もあまり好きじゃなくて、一緒に歩いてくれなかったですし、いまだに何考えているのかわからないところがあります(笑)。でも、2人とも、とても優しくて自慢の息子ですね。 最近、次男が役者になりたいと言い始めたんです。「一生懸命やりなさい」と応援はしますが、とくにアドバイスなどはせずに、ほったらかしにしています(笑)。 ── あえてアドバイスをされないのは、なぜでしょうか?
手塚さん:結局、アドバイスというのは、あってないようなもので、実際に自分で経験してひとつずつ学んでいくのが一番いいと思っているんです。自分自身で考えて決めていかないと、どこかで人のせいにしてしまって、反発したり、心が不満だらけになってしまう。現に、私がそうでしたから。 だから、人のアドバイスをうのみにしないで、自分で決断し、決めたことは最後までやりぬいてみる。自分で決めたことなら、たとえ間違えて失敗しても納得できるし、後悔しないと思うんです。息子には、そう伝えています。
PROFILE 手塚理美さん てづか・さとみ。1961年、東京都生まれ。俳優。7歳でモデルとして活動をスタート。1975年にユニチカ2代目マスコットガールとして芸能界に本格デビュー。1982年、NHK朝の連続テレビ小説『ハイカラさん』に主演。以降、『ふぞろいの林檎たち』『男女7人秋物語』など、様々なドラマや映画で活躍。2021年には、映画『メイド・イン・ヘヴン』で主演。 取材・文/西尾英子 画像提供/手塚理美(えりオフィス)
西尾英子