「キャリアを手放す後悔はなかった」手塚理美 ふたりの息子が大人になって振り返る子育てに専念したころの生活
■反抗期でも「しつこくコミュニケーション」をとった ── そうした思いから、子育てに軸足を置かれていたのですね。お子さんと向き合うときに、心がけてこられたことやマイルールなどはありましたか?
手塚さん:スキンシップと声がけを大切にしていました。子どもが小さいころは、毎日ハグをしていましたし、大きくなってからも「行ってきます」「ただいま」と、必ず目を見て言葉を交わすようにしてきました。移動手段もできるだけ公共交通機関を使い、ぜいたくはさせないなど、当たり前のことを経験しながら、ふつうの感覚を身につけさせることを心がけました。 私自身も子育てを通じて初めて経験したことがたくさんありました。10代から芸能活動をしていたので知らないことがあまりに多く、子どもと一緒にいろんなことを学んでいった感じでしたね。
── 97年に離婚された後、シングルマザーとして育児に奮闘されました。男の子2人をシングルで育てるのは、大変な場面も多かったと思います。反抗期は、どんなふうにして乗り越えましたか? 手塚さん:反抗期は、なかなか大変でしたね。長男が中2のころ、口を聞いてくれなくなって、部屋からあまり出てこなかった時期がありました。 でも、私のことを嫌いになったわけではないだろうし、成長の過程だからいつか落ち着くだろうと思って、あきらめずにしつこくコミュニケーションをとるようにしていました。向こうはイヤだったかもしれませんけど。
■役者を始めた次男「アドバイスをしない」のが親心 ── 手塚さんのInstagramには、息子さんが登場されることも多いですよね。一緒に出かけたり、食事に行ったりと、すごく仲がいい様子が伺えます。 手塚さん:もうすぐ29歳になる次男とは、散歩や読書など趣味が似ているんです。自然が好きで玄米食を好むところなど、いろいろと共通点も多いので、よく一緒に行動していました(現在、次男は北海道在住)。散歩や食事に出かけたり、好きな本の感想を言い合ったり、映画も一緒に観に行ったりしました。