脳腫瘍摘出のプロレスラー、がん公表から2回目のリング復帰決断「絶対諦めない」 手術翌日からリハビリ
麻酔なしで抜糸「30か所ほどあった」
脳腫瘍摘出手術を受けたプロレスラーで文京区議会議員の西村修が5日、抜糸を報告。大仁田厚が主催するFMWE12・8神奈川・鶴見青果市場大会への出場を決断した。 【写真】大手術からわずか4日で退院…40年通う地元のなじみの店で“退院祝い”を行った西村修、実際の写真 食道がんステージ4闘病中の西村は、脳に転移した腫瘍を取り除くため、10月28日に開頭手術を受けた。手術は全身麻酔で、準備や術後の安静を含めて7時間を要し、無事成功した。 この日、都内の病院で抜糸を行った西村は、「抜糸は30か所ほどあったんですけど、麻酔もせず、スムーズに終わりました。ホチキスは抜き取るだけですから」と説明。 そして、大仁田から受けていた鶴見大会へのオファーについて「やっぱり諦めたら命は終わってしまう。がん患者の広告塔じゃないですけど、諦めなければ神様は救ってくれるということを今回本当に教えていただいた。がんになっても絶対諦めないということを、リング上から皆さまにアピールしたいっていう思いがあります」と続け、受諾する考えを明かした。 西村の試合は師ドリー・ファンク・ジュニアとタッグを結成した8・24川崎大会以来、3か月半ぶり。がんを公表してからは2回目の復帰戦となる。 「8・24に関しては、私自身のがん以上にドリーさんに尽くさなきゃいけなかった。私が上がらなければ、じゃあ誰が上がるの? という部分があった。今回はがん患者に対して、同じ苦しみを持っている仲間に対して、という気持ちが1番でしょうね。それが私の生かされた使命だと思いますし、本当に前を向いて生きるだけです」 3センチ以上あった脳腫瘍を除去し、けいれん再発のリスクは軽減。一方、食道がんについては治療を続けているが、西村はここ最近の体調不良の原因は脳腫瘍にあったと指摘する。 「9月ぐらいから抗がん剤の副作用と腫瘍の拡大とその周りのむくみによって、伝達神経がちょっと不安定なところがあったんですよ。それで(議員として)人前でしゃべらなきゃいけないときに、30秒から1分ぐらい止まっちゃったりするときも多々ありましたけど、今回、100パー取りましたので(最初にがんを患った)26年前以上に体調がクリアになりました」 食道から左上半身に広がったがんについても、「7割はもうなくなっている。あとは本当に細かいものを放射線で取り除くだけ。今日もやってきましたけど、治療時間は1日10分ぐらいですから」と強調。がん治療は体に負担があるものではなく、すでにスクワットを開始していることを明かした。 手術の翌日からリハビリを始めたように、少しでも運動し、病気に負けない体力をつけていくことは必要な作業でもある。 川崎大会ではむくみの影響もあり、体重は過去最大の110キロまで増加。むくみが消えた今は98~100キロの間で、本来の肉体に戻りつつあるという。 それでもリング復帰となれば、心配はつきものだ。ステージ4の状態で観衆の前に立つこと自体、極めてまれなケースなことは間違いない。 ただ、西村にとってはこれも治療の一環。モチベーションを維持する“特効薬”として捉えている。 「抜糸も終わって1番やっかいな、だんだん成長していく脳腫瘍が全部取れましたので。12月8日は全身全霊をかけて、ぜひとも上がらせていただきたい。改めて大仁田さんに対してアピールしたいと思います」と結んだ。
ENCOUNT編集部/クロスメディアチーム