《ブラジル》あと9日で出産の妊婦が事故死=夫の運転、赤ちゃんも助からず
ブラジル南部に位置するサンタカタリーナ州西部のキロンボ市で15日、乗用車と大型トラックの衝突事故が発生し、乗っていた妊婦が死亡した。女性は妊娠後期で、翌週に出産を控えていた。16日付G1サイトなどが報じた。 事故は午後5時頃、幹線道路SC―157で発生した。サブリナ・ストシェロ(25歳)さんは、夫ジオゴ・クレインさん(30歳)が運転する車の助手席に乗り、9日後に予定されていた帝王切開前の最後の診察に向かう途中だった。 警察によると、ジオゴさんの運転する車がスリップして対向車線に侵入した直後、直進してきた大型トラックと車の助手席側が側面衝突を起こした。 サブリナさんは駆けつけた救急隊員によって、顔に重傷を負った状態で救出されたが、心肺停止で死亡が確認された。 一方、ジオゴさんは頭部損傷で意識を失い、病院に緊急搬送され、現在も入院中だという。 事故直後に、サブリナさんのお腹から赤ちゃんを取り出す措置が行われたが、残念ながら命は助からなかった。 遺族によれば、この赤ちゃんは男の子で、サブリナさんの父親に敬意を示し、同名の「アントニオ」と名付けられる予定だった。事故当日、産婦人科での診察後にサブリナさんの父親が住む隣町を訪れ、家族で夕食をとる予定だった。 サブリナさんはエステティシャンで、美容の専門家として活躍していた。地元のミスコンでグランプリを獲得するほど、美しい容姿と優れた才能で知られていた。 彼女は自身のSNS上で、「長い間待ち望んでいた男の子が、私たちのもとにやって来てくれた。これを奇跡と呼んでもいいわ。完璧なタイミングでやってきて、平和と喜び、そして多くの愛をもたらしてくれた」と子を授かった喜びを語っていた。 母子の葬儀は16日に執り行われ、遺体は市営墓地に埋葬された。