父は日本ハムで現役20年 父と同じ背番号「4」を背負い、息子もめざすプロの舞台
実力伯仲の東都リーグは、1部だけではなく2部校にも能力の高い選手が多く、今春のリーグ戦にもNPBのスカウトが多数、視察に訪れた。俊足・好打・強肩・好守の外野手として注目される立正大学の飯山志夢(もとむ、4年、中央学院)も、複数球団がリストアップするドラフト候補の1人だ。元プロ野球選手である父の背中を追いかけ、秋のドラフトでのプロ入りを目指す。 【写真】大学ジャパンでも背番号「4」 秋のドラフトを前にまずは国際大会で躍動する
日本ハムで現役20年「父のような選手に」
物心つく前から、プロの世界で活躍する父の姿を見続けてきた。「お父さんみたいなプロ野球選手になりたい」。その思いから自身もボールとグラブを手にし、野球を始めた。 飯山の父・裕志さんは、鹿児島・れいめい高から1997年ドラフト4位で日本ハムファイターズに入団。NPBで20年間プレーし、通算911試合に出場。高い守備能力を誇る遊撃手として活躍、『守備職人』などと称され、いぶし銀的プレーでファンに愛された。5度のリーグ優勝、2度の日本シリーズ優勝に貢献し、2017年シーズンを最後に引退。内野守備コーチなどを経て、今年からスカウトを務めている。 飯山にとって裕志さんは、尊敬する父であり、憧れの存在であり、目標でもある。 「野球を始めた頃、父から『一球一球に集中しなさい』と言われたのを覚えていて、今も強く意識しています。父はすごく真面目で、黙々と、常に野球に集中している人でした。ずっと父を見てやってきました。自分も父みたいな選手になりたいです」と飯山は言葉に力を込める。
東都2部で首位打者・ベストナイン
プロの世界で活躍する父に憧れ、飯山も小学校1年生から学童野球・金町ジャイアンツに入部した。父と同じショートを希望したが、肩の強さを買われてキャッチャーを任された。中学時代は荒川尾久ボーイズでショートを守った。中央学院高では2年の春までショートを守ったが、ここでも肩の強さを買われて2年の夏からは外野へコンバート。以降は外野手としてプレーしている。 高校からプロ入りしたいという気持ちも強かったが、高校の指導者や両親と話し合いを重ねた結果、4年後のプロ入りを目指し東都リーグの強豪・立正大学への進学を決めた。 「父には『プロはまだまだレベルが届かないところだから大学進学を勧めるよ』と言われたんです。最初は納得いかなかったんですけど、立正大学で力をつけることができたので、今ではよかったかなと思っています」 大学では1年春からリーグ戦デビューを果たしたが、チームはそのシーズン、最下位に沈み、入れ替え戦にも敗れ2部降格を喫した。1年秋以降はチームの中心選手として活躍し、3年春には打率.365をマーク、2部首位打者とベストナインを獲得。今春も打率.327(リーグ8位)の成績を残し、2度目の2部ベストナインを受賞した。