2024F1ニューマシン&ドライバー紹介 角田裕毅はビザ・キャッシュアップRBで正念場の1年
【ステーク(キック・ザウバー)】 昨年までは「アルファロメオ」として参戦したチームが、今季は「ステークF1チーム」と名称を変更。チーム運営に関しては、1990年代からF1に参戦を続けるスイスの名門ザウバーが務めている。 マシンのカラーリングも黒と緑に変わり、注目を集めている。ただ、ドライバーは昨シーズンから変更なく、バルテリ・ボッタスと周冠宇(ジョウ・グアンユー)の布陣で戦う。 今季のマシン『C44』は再設計された空力パッケージが導入されて、各部のパーツも細かく変更。フロントのサスペンションシステムも見直し、昨年までのプッシュロッド式からプルロッドに変更されたのも特徴だ。 昨年は10月のカタールGPでダブル入賞を果たすも、終盤戦はライバルチームの躍進に屈する形となり、最終的にコンストラクターズ9位。今シーズンは新たな試みがふんだんに盛り込まれているマシンで、中団グループの激しい争いで優位に立ちたいところだろう。 また、2024年は久しぶりに中国GP(第5戦)が復活。周にとっては念願の母国レースとなるので、こちらも目が離せない。 <No.77/バルテリ・ボッタス>1989年8月28日生まれ(34歳)。フィンランド国籍。F1経歴=ウイリアムズ(2013~2016)→メルセデスAMG(2017~2021)→アルファロメオ(2022~2023)→ステーク(2024~)。優勝=10回。2023年ドライバーズランキング15位。 <No.24/周冠宇(ジョウ・グアンユー)>1999年5月30日生まれ(24歳)。中国国籍。F1経歴=アルファロメオ(2022~2023)→ステーク(2024~)。最高位=8位。2023年ドライバーズランキング18位。
【ハース】 全10チームのなかで今年最初に2024年型のマシン『VF-24』をお披露目したハースF1チーム。昨年は正面から見ると白がベースとなり、サイド部分が黒いカラーリングとなっていたが、今年はフロントノーズも黒色のデザインとなっているほか、チームの国籍であるアメリカ国旗が描かれているのも特徴だ。 ドライバーはニコ・ヒュルケンベルグとケビン・マグヌッセンという経験あるふたりを継続して起用。ただ、チーム体制の部分では大きな変更があった。 長年にわたってチーム代表を務めていたギュンター・シュタイナーが退任。後任には、昨年まで同チームのエンジニアリングディレクターを務めていた小松札雄がチーム代表となった。さらにテクニカルディレクターのシモーネ・レスタが離れ、アンドレア・デ・ソルトが就くこととなった。 昨シーズン前半戦のハースは、トップ10圏内に進出する走りを見せた。最上位は第10戦オーストリアGPスプリントレースの6位だったが、後半戦は下位に沈むレースも多く、最終的にコンストラクターズランキング10位でシーズンを終えている。 小松新代表の率いるハースが今季どこまで追い上げてくるのか、非常に注目度の高いシーズンとなりそうだ。 <No.20/ケビン・マグヌッセン>1992年10月5日生まれ(30歳)。デンマーク国籍。F1経歴=マクラーレン(2014~2015)→ルノー(2016)→ハース(2017~2020、2022~)。最高位=2位。2023年ドライバーズランキング19位。 <No.27/ニコ・ヒュルケンベルグ>1987年8月19日生まれ(36歳)。ドイツ国籍。F1経歴=ウイリアムズ(2010)→フォースインディア(2012)→ザウバー(2013)→フォースインディア(2014~2016)→ルノー(2017~2019)→レーシングポイント(2020)→アストンマーティン(2022)→ハース(2023~)。最高位=4位。2022年ドライバーズランキング16位。
吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro