元乃木坂46の伊藤万理華、障害当事者ら出演 NHKの“脱・感動ポルノ”は成功するか
出演者も障害をもった人が多数 ヒロインは「片翼の小さな飛行機」のヒロイン
障害者を起用するという点では、本作にも重なるものがある。NHKは「パーセント」の出演者をオーディションで募集し、「障害」「持病」のある人を条件とした。100人を超える応募があったという。 最終的に未来と共にハルはドラマに出演することを了承するが、ハルを演じる和合由依も、2年前の東京パラリンピックの開会式で車イス姿の「片翼の小さな飛行機」を演じた若者だ。
恋人と「感動ポルノ」「上から目線」で激しい口論
5月18日の第2話では、新任の編成部長・長谷部由美(水野美紀)から“根本的に人間を描くという意識が欠如している“と未来は厳しい指摘を受ける。 未来は、恋人の町田龍太郎(岡山天音)と同棲している。龍太郎は学生映画で脚本賞を獲ったこともあり、才能は一目置かれながらも、就職せずにバーでバイトをするフリーターだ。 未来の企画書を見た龍太郎の発言がきっかけで、2人は激しい口げんかをしてしまう。 (龍太郎)「『女性や障害者、マイノリティです。うちらは差別されてまーす』みたいなこと言われても、そんな説教されたないから、こっちは……」 (未来)「説教…?」 (龍太郎)「説教やろ。こんな『上から目線』でもの作って……。それはみんなテレビを見んようなるわ」 こちらも一生懸命にドラマを作っている、障害のある素敵な俳優も多くいる、という未来の反論に対しても、 (龍太郎)「それ…、障害者やのに頑張っている…から素敵なんやろ? そんなの『感動ポルノ』や。やばいで、未来。テレビの世界につかりすぎて、感覚おかしなってるちゃう?」 龍太郎が口にした「感動ポルノ」とは、障害者が「感動」のために消費される存在になっていることを痛烈に批判した、オーストラリア人ジャーナリストのステラ・ヤングの言葉だ。2016年、日本テレビの恒例番組「24時間テレビ 愛は地球を救う!」の裏番組としてNHKが「バリバラ」を生放送して大きな話題になった。日テレで「困難に見舞われてもけなげに頑張る存在」として描かれていた難病患者の女性が、NHKでは「本当の自分の姿とは違う」と本音を暴露したからだ。 その後、未来がハルとの距離を縮めていく展開となる。自分の弱さや、龍太郎との口げんかの顛末などまで打ち明けるようになる。企画書は改善されていくものの、編成部長のOKは出ない。 「それはドキュメンタリーでもできることです。あなたが視聴者だとしてこれを観たい? やり直し!」