日本初開催、「空のF1」レッドブル・エアレースが開幕
「空のF1」とも呼ばれる航空機レースの世界大会「レッドブル・エアレース」が5月16日、千葉県の幕張海浜公園で開幕した。初日は、決勝の飛行順を決める予選が行われ、続く17日の本戦で1位から4位が決定する。 5月に千葉で開催、空のF1「レッドブル エアレース」とは?
17日の決勝は、前日に行われた予選の順位に基づいた組み合わせで1対1でタイムを競う「ラウンドオブ14」が行われ、14人の選手のなかから、勝者7人および敗者の中で最速タイムを記録した1人の計8人に絞りこまれる。その勝者による8人が1対1でタイムを競う「ラウンドオブ8」で4人に絞りこまれた後、最終的な勝者を決めるための「ファイナル4」が行われて優勝者が決定する。
「レッドブル エアレース」とは?
レッドブル・エアレースは2003年に飲料品メーカー、レッドブル社の企画としてオーストリアで開催されたのが始まりで、2005年より国際航空連盟公認の世界選手権としてスタート。2015年シーズンは全7か国8都市を巡る。日本では2009年に日本人パイロットの室屋義秀氏が参加したことで注目を浴び、今季初めて日本開催となった。 今回の千葉大会では、幕張海浜公園の海岸沖に飛行コースが設定された。レースディレクターのスティーブ・ジョーンズ氏は千葉大会のコースについて、「他国のレースはコースを2周してタイムを競うのに対して、幕張の場合は1周のみで競う全長の長いトラックが特徴。また、海沿いの変わりやすい風向き、風速もレースへ大きく影響する」と述べている。
レースは海面に複数設置された「エアゲート」と呼ばれる高さ25mのパイロンを、それぞれに指定された高度・速度と機体姿勢で通過しながらタイムを競う。エアゲートには、短い間隔で3本設置されたパイロンをスラローム飛行で通過する「シケインゲート」や水平飛行が義務付けられる「レベル・ゲート」、水平飛行かつスタート時に時速370キロの速度制限が課せられる「スタート・ゴールゲート」、進路を示す「シングル・パイロン」がコース上に設置されている。 速度超過や規定高度、それぞれのパイロンで課せられた飛行姿勢を違反した場合や、規定のコースから逸脱してパイロンに接触してしまった場合などは、その度合や回数に応じて2秒加算、フライト中止、レース失格などのペナルティが与えられる。ペナルティを回避しつつ好タイムを出すために、パイロットには瞬時の判断が求められる。
機体はアクロバット飛行に使用される1人乗りの単発プロペラ機を使用。エンジン、プロペラは全チーム共通のものを使用するが、機体は米ジブコ社のEdge 540や米MXエアクラフト社のMXS-R、ハンガリー・コーヴァス社製のCorvus Racer 540といった機体を、機体重量などのレギュレーションの範囲内で改造できる。