【40代、50代・更年期の基礎知識 】「月経が乱れはじめて2年。みんなはどういう過程をたどって閉経するの?」さまざまな閉経パターンを紹介
なかなか人に聞く機会のない閉経過程。私の状態って普通なの?と疑問も湧いてくる。みんながどんなふうに閉経していくのか、婦人科医の吉形玲美さんに教えてもらった。
Q. 月経がきたりこなかったりしてすでに2年。なかなか閉経しないけど、皆さんどういう過程をたどって閉経するの?
A. 閉経過程は個人差が大きく、正常・正解はありません 「多くの女性は、月経不順の期間を1~2年ほど過ごし(中には数年かかる人も)、やがて閉経します。月経の乱れパターンは個人差が大きく、正常・正解というものはありません。周期、頻度、経血の量や色、日数、おりものの状態まで、本当に一人一人が違います」(吉形先生) 自然消滅的に減っていき、気づいたら閉経していたというのはいちばん楽なパターン。エストロゲンとプロゲステロンのバランスがくずれてくると、子宮内膜が厚くならないうちにはがれ、だらだら出血が続いたり(過長月経)、厚くなりすぎた子宮内膜が一気にはがれ落ちて大量出血(過多月経)する人もいる。 「これを閉経前の女性ホルモンの影響と判断するには、子宮にがんなどの病気が何もないことを確認する必要があります。こんなときこそ、まずは病気を疑って婦人科を受診してください」
こんなにある! 閉経パターン
●ジェットコースター型 経血量も日数も周期もバラバラで予測不能。 ●青天の霹靂型 ある日突然こなくなって、それきり。 ●強制終了型 病気などにより子宮や卵巣を摘出して閉経。 ●時々ドバドバ型 時々ドバッと出血するなど、異常に多くなる。 ●ノンストップ型 月経のような出血がいつまでも止まらない。 ●打ち上げ花火型 なかなかこなかったのに最後にドバッとくる。 ●フェードアウト型 経血量も日数も周期も徐々に減少していく。 ●リフレイン型 終わりそうで復活…を繰り返し、長引く。 ●お久しぶり型 2~3カ月に1回だけしかこなくなる。 次回は、『骨盤臓器脱』について教えてもらう。 【教えてくれたのは】 吉形玲美さん 産婦人科医。浜松町ハマサイトクリニック特別顧問。大学病院で医療の最先端に立ち、女性医療・更年期医療のさまざまな臨床研究にも数多く携わる。女性予防医療を広めたいという思いから、現クリニックへ。更年期、妊活、月経不順など女性の体のホルモンマネジメントが得意。著書に『40代から始めよう! 閉経マネジメント』(講談社) 撮影/中川十内<アイキャッチ> スタイリスト/高橋尚美 構成・原文/蓮見則子