山小屋への食料や燃料の輸送をドローンで…ヘリや人力の替わり、新潟県妙高市が実証実験
新潟県妙高市は、市内の火打山(2462メートル)の中腹にある山小屋「高谷池ヒュッテ」にドローンで物資を輸送する実証実験を行った。来年度以降の実用化を目指す。 【図解】ドローンの活用が広がっている…配送・点検・農薬散布・測量・災害対策など
同市は2022年、モバイル通信を活用した運行管理システムを運営する「KDDIスマートドローン」(東京都)と、ドローンを観光や防災、農業など幅広い分野で活用する連携協定を結んでいる。
実験は、笹ヶ峰登山口の駐車場と同ヒュッテを結ぶ往復約9・6キロで実施。ドローンは燃料など約26キロの荷物をつり下げ、約15分かけて輸送した。離陸時と荷物を下ろす際は人による操縦だが、その他は自動飛行で行われた。
同ヒュッテでは、登山シーズンの初めに、山小屋まで人力で荷物を担ぎ上げる「歩荷(ぼっか)」やヘリコプターを使って食料品や燃料などを運んでいる。ヘリは運航コストが高く、天候に左右されるなどの問題があり、歩荷による輸送も人手不足や運べる重量に限りがあるなどの課題があるという。
市は今後、農薬や肥料の自動散布、農作物の生育管理といった農業分野や、市のPR動画の制作など観光面などでもドローンを活用していく方針だ。