いざというときに役立つ「非常食の収納術」。家の中で分散備蓄するのがコツ
いざというときのために水や食料を備えておきたいけれど、家の中にそのスペースを確保するのがなかなか難しいケースも。そこで、収納スペースを圧迫せず非常食が備蓄できて、リスク分散にもなる収納方法をご紹介。整理収納アドバイザーで防災士の、大木聖美さんが解説します。 【写真】デッドスペースを活かして非常食を収納
非常食は1か所にまとめず家の中で分散して収納
災害はいつ起こるかわからないからこそ、日頃の備えがとても大切。水は1人あたり1日3L必要と言われていますし、非常食はレトルトや缶詰、カップ麺などバリエーションがあると安心ですよね。家族の人数×1週間分を目安に備えておきましょう。 また、普段から水や非常時に使える食材を多めに買っておき、使ったらその分を買い足して一定量を備蓄しておく「ローリングストック」も生活に取り入れておきたいところ。ですが、家族分の備えをしようとすると量が多く、「そんな収納スペース確保できない…」という声も。 そこでおすすめなのが、家の中のさまざまな場所に分けて非常食を収納する「分散備蓄」。家の中のどこで被災するかわからないので、1か所にまとめて備えるよりもリスク分散につながります。
デッドスペースも有効活用。「分散備蓄」のつくり方
分散備蓄をする場所は、家のタイプによって変わってきます。2階建てなら、1階と2階の上下に分けて。平屋やマンションなら、入り口近くにある玄関と窓辺に近いキッチンやリビングなど、手前と奥に分けて収納することを考えてみてください。 わが家は2階にLDKがある一戸建てなので、1階の階段下収納と2階のキッチンパントリーの2か所に分散。缶詰やレトルト、フリーズドライ食品など、1階と2階でほぼ同じものを収納しています。 2階にあるものを食べたら1階から補充、新たに購入したものを1階に収納するというローリングストックを実践しています。 水も1階と2階に分けて備蓄しています。1階は食材と同じく階段下収納に入れていますが、2階は廊下収納の奥にあるデッドスペースを活用しています。 収納スペースの奥は、普段使いのものを入れるには不便ですが、7年や10年など長期保存の水などを入れるにはちょうどいい場所。クローゼットの足元やベッド下などのスペースもいいですね。
収納場所を家族で共有しておくことも大切
もしものときに自分が家にいるとは限りません。家族が困らないように備蓄しているものや場所はぜひ共有しておきましょう。備蓄している食材や在庫量について一緒に確認するのもいいですね。備えの負担も分散されて、家族内での防災意識も高まるのではと思います。 1箇所にまとめて収納しなくていいと考えると、非常食を備えるハードルがグッと下がるはず。備えが“特別なもの”ではなく、“日常生活の延長線上にあるもの”と考えられるようになるといいですね。
大木聖美