2026年のF1レギュレーション変更で、ホイールリムもマルチメイクに。FIA「チームの商業的な機会を創出できる可能性がある」
2026年から、F1のテクニカルレギュレーションが大きく変更される。その主な部分はパワーユニット(PU)だが、これに伴ってシャシーにも多くの変更が施されることになっている。 【動画】次世代F1マシンはこうなる! FIAが2026年新規則を公開 ただ2026年から変更されるのはPUやシャシーだけではない。その他、様々な部分にも変更が加えられる。そのひとつが、ホイールリムである。 2024年シーズン現在、ホイールリムは”スタンダード・サプライ・コンポーネントー標準供給部品(SSC)”に指定されている。このSSCは「設計および製造がFIAによって指定された供給業者によって行なわれ、各競技参加者に同一の技術的および商業的ベースで供給されるコンポーネント」と規定されており、サイズが18インチ化された2022年シーズンから、日本のBBSがその”指定された供給業者”となっている。 しかし2026年からのホイールリムは、サイズこそ変わらないものの「オープンソースコンポーネント(OSC)」に変更されることになった。このOSCとは「設計仕様および知的財産がすべての競技参加者に利用可能とされるコンポーネント」であるという。このOSCの設計仕様書はFIAが指定するサーバーに置かれ、全競技者がアクセスできるようにしておかなければいけないため、パフォーマンス上の差別化要素とはならないが、各チームが独自に供給業者を選定できることになる。 これについてFIAに尋ねると、その理由について次のような回答があった。 「2026 年にリムがSSCではなくなるのは、コストへの影響がそれほど重要ではないためだ。これにより、チームは商業的な機会と、変更が必要な場合の生産速度に関して、供給業者とより緊密な関係を築くことができる」 FIAによれば、SSCからOCSに変更されたのは、チームからの要望があったからだという。例えばホイールリムが損傷し新調が必要となった場合、各チームがそれぞれサプライヤーと直接契約していれば、迅速に代替品を手にすることができるという。また、サプライヤーとの契約内容によっては、各チームがそこから収益を得られる可能性もあるという。 既に各チームは、ホイールサプライヤーの選定に動き出しているとみられ、その交渉も各方面で行なわれているようだ。
田中健一, Oleg Karpov
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