3年ごとに改悪される介護環境。今年の介護制度の改正ではどう変わる?
一部の介護老人保健施設や介護医療院の多床室に室料負担(2025年8月から)
これまで室料負担がなかった一部の介護老人保健施設(老健)や介護医療院の多床室(4人部屋など)に、月8000円相当の室料負担が導入されます。 介護施設のうち、居室面積が1人あたり8平方メートル以上の多床室を利用する「II型介護医療院」の入所者と、同程度の広さの多床室を利用する「その他型」「療養型」の老健の入所者が対象になります。 これらの施設は、死亡退所が多い特別養護老人ホームと同様に事実上「生活の場」となっている現状を考慮しました。ただし、低所得世帯に関しては補足給付により、追加の費用負担が生じません。 なお、今回の改正に先立ち、近年の光熱水費の高騰を受け、2024年8月より基準費用額(居住費)が1日60円引き上げされます。
まとめ
今回は見送られましたが、自己負担割合が2割の人の対象拡大、ケアプランの有料化、要介護1・2の生活援助サービスの総合事業への移行、複合型サービス(訪問介護+通所介護)などが検討されています。今後ますます介護サービスは縮小し、利用者負担は増えていきます。介護保険が頼れない以上、貯蓄や民間保険などで自己防衛することが大切です。 出典 厚生労働省 高齢者支援課 全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議資料 厚生労働省 介護保険計画課 全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議資料 厚生労働省 老健局 令和6年度介護報酬改定における改定事項について 厚生労働省 第237回社会保障審議会介護給付費分科会(持ち回り)資料 執筆者:新美昌也 ファイナンシャル・プランナー
ファイナンシャルフィールド編集部