説明できる? 最近よく聞くバイクに採用される「ライド・バイ・ワイヤ」のメリットとは
最近よく聞く言葉だけど、一体なに?
バイク技術の進化に伴い、「ライド・バイ・ワイヤ(Ride-by-Wire)」という言葉を耳にする機会が増えてきました。 【画像】バイクの新技術「ライド・バイ・ワイヤ」のメリット・デメリットを画像で見る(10枚) しかし、バイク愛好家でもこの言葉に聞き覚えがないという人は、まだまだ多いと思います。この技術は、簡単に言えば従来のケーブルを用いたスロットル操作を、電子制御システムによっておこなうもの。 では、ライド・バイ・ワイヤとはどのような仕組みで、従来のスロットル操作とどのような違いがあるのでしょうか。また、ライド・バイ・ワイヤの導入によって、バイクの操作性や安全性はどのように変わるのでしょうか。
従来のバイクは、アクセルを回すとワイヤーケーブル(スロットルケーブル)が引っ張られ、エンジンのスロットルバルブが開閉することで、エンジンに空気が供給され、加速や減速が行われます。 このケーブル方式のメリットは、機械的であるため構造が比較的単純であり、特に古いバイクでは整備がしやすい点にあります。また、一部のライダーはケーブルの張力を直接感じ取ることができ、バイクとの一体感が得られると評価する人も多々います。 ただし、ケーブル式にはいくつかの課題がある事も否めません。例えば、ワイヤーは摩耗や経年劣化によって、定期的なメンテナンスや交換が必要です。また、スロットル操作が細かく調整しにくいため、エンジン出力が安定しない場合もあり、燃費や快適な操作性に影響が出ることもあり得ます。 さらに、路面が滑りやすい状況や急なカーブでのスロットル操作には高い技術が求められるため、安全性にも課題がありました。
一方でライド・バイ・ワイヤでは、アクセルグリップを回すと電子的なセンサーがその動きを検知し、エンジンコントロールユニット(ECU)に信号が送られます。 そしてECUはライダーの操作やバイクの走行状況に応じて適切なスロットル開度を計算し、電子制御アクチュエーターを介してスロットルバルブを開閉。そのため、ワイヤーケーブルが一切不要で、電子的な指令のみでエンジンが制御可能です。 そんなライド・バイ・ワイヤのメリットとしてまず挙げられるのは、応答性や燃費の向上。電子制御によりスロットル操作が即座にエンジン出力に反映されるため、よりスムーズかつ正確な加速や減速が可能となります。 また効率的にエンジンが制御されるため、無駄な燃料消費を抑えられ、結果的に燃費が向上。加えて、ライド・バイ・ワイヤは、トラクションコントロールやライディングモードなど、複数の安全機能と統合しやすい特徴があります。