DeNA、スターナイトでハマの奇跡!9回二死からのサヨナラに指揮官「諦めなければ何が起こるかわからないってところを示してくれた」
◆ 「チームにとっても大きな勝利」 「横浜スターナイトなら、できるはず」。1点ビハインドの9回裏、スタジアムDJの言霊が現実のものとなった。 スタートは最高だった。トップバッターに起用された梶原昂希がピッチャー直撃のヒットで出塁し、1死後盗塁を決めると、4番の牧秀悟がライトへタイムリーヒット。連勝の勢いを感じる攻撃だったが、その後は中日先発のウンベルト・メヒアを打ちあぐみ、7回8回と中日自慢の強力リリーバーの前に沈黙。4回に2点を失っただけで7回を投げ切った平良拳太郎と、後を継いだ中継ぎ陣の無失点投と踏ん張ったが、最終回のマウンドには竜の守護神ライデル・マルティネスが登板。簡単にツーアウトを取られ、万事休すかと思われたが、タイラー・オースティンが四球をもぎ取ると、牧秀悟がライトフェンス直撃のツーベースヒットを放ち、代走の知野直人が同点のホームインとなり試合を振り出しに戻した。 そして迎えた10回裏、佐野恵太のツーベースで出塁すると、戸柱恭孝の送りバントを挟み、最後は京田陽太がセンターへサヨナラヒットで決着。9連戦最初のカードで、見事なスイープを果たした。 自身初のサヨナラヒットを放った京田は「その前の打席でランナー進めれなかったので、その悔しさをぶつけました」と、まず8回のミスを反省しつつ「ボール球ですけど、とにかく気持ちで食らいつきました。3塁ランナーが桑原さんだったんで、当てれば何か起きるかなと思って」と必死さが結果につながったと胸を張った。 また先制打と土壇場のタイムリーを放った牧秀悟は「1球しかないと、その唯一を捉えられた。無我夢中というか、何を打ちに行こうというよりは、ほんとにバットに当てることだけを考えていた」と持ち前の集中力が功を奏したとコメント。「野手だけではなく、ピッチャーも全員含めて、1点を取る、守るっていうことがここ最近はできている」とキャプテンとして最近の戦いぶりを評価していた。 三浦監督も「野球はゲームセットまで何があるかわからない」とニヤリ。「ツーアウトからオースティンがよくフォアボールを選んでくれましたし、牧があそこでしっかりと長打。知野もよく走ってくれたと思います。クローザーから、最後ツーアウトランナーなしから追いつけたっていうのは、諦めなければ何が起こるかわからないってところを牧が最後示しくれました」と同点のシーンに感慨深げ。 続けて「あそこで決めてくれたっていうのは、チームにとっても非常に大きな勝利だと思いますし、守備でも確実なプレーをよくしてくれてました」と攻守で輝いた京田を称え「一勝は一勝ですけども、チームにとっても大きな勝利だと思います」と価値ある勝利だと言葉にチカラを込めた。 夏の一大イベント・スターナイトを10連勝で飾り、明日からは巨人との首位決戦。「一戦一戦大事に戦っていきます。まずは明日です」と言い切った指揮官の目には、確かな自信が漲っていた。 取材・文 ・写真 / 萩原孝弘
BASEBALL KING