雇い止めの元大学講師が求めた「5年で無期転換」、最高裁は認めず
有期雇用の契約期間が通算5年を超えれば無期雇用にできる「無期転換ルール」をめぐり、特定の大学教員には期間を10年に延ばせる特例の対象に、元大学講師の女性が含まれるかが争われた訴訟の上告審で、最高裁第一小法廷(岡正晶裁判長)は31日の判決で「含まれる」と判断した。女性に5年での無期転換を認めた二審・大阪高裁判決を破棄した。 【写真】最高裁の判決後、支援者らの集会に参加した元大学講師の原告女性=2024年10月31日、東京都千代田区、遠藤隆史撮影 裁判官4人全員一致の結論。無期転換ルールの大学教員の特例について、最高裁が判断したのは初めて。 原告の女性(48)は2013年から堺市の羽衣(はごろも)国際大で福祉科目の専任講師として勤務。契約期間が5年を超えた18年に無期転換を求めたが、特例を理由に拒まれた。 大学教員任期法では「多様な人材の確保が特に求められる教育研究組織の職」などについて、無期転換に必要な期間を10年にできる。女性側は、特例の対象は「最先端の研究を担う」など一部の教員に限られ、自身は対象ではないと主張。一審で敗訴したが、二審・大阪高裁は特例の対象を厳格に解釈し、女性が逆転勝訴していた。
朝日新聞社