SKY-HIとMIKOLASが語る、豪華セッションの制作舞台裏
「LALALALALALALALALALA (Tokyo Version)」に込めた「感情」
─「LALALA」はアコースティックバージョンが既に配信されていて、今回Tokyo Versionが生まれたことでどんどんバージョンが増えていますよね。 ミコラス:アコースティックバージョンは悲しい曲ですよね(笑)。 SKY-HI:そうだね(笑)。 ―オリジナルと手触りが大きく違いますよね。Tokyo Versionはどんな感触だと思いますか? ミコラス:オリジナルより肩の力が抜けた感じがします。オリジナルはヒットするかわからない中、必死で良いものを作るっていうストレスがあったけれど、ヒットさせることができたことでリラックスできたヴァイブスがTokyo Versionにはあるのかなと。 ―「LALALA」は実体験を元にした失恋ソングでもありますが、SKY-HIさんはオリジナルに宿っている感情をどう咀嚼してTokyo Versionに落とし込んだんでしょう? SKY-HI:恋バナテンションですよね。実は一回、もっと長くメンヘラテンションでリリックを書いたんですよ。内容はめっちゃ気に入ってて。自分の曲はロングバースの曲も多いので書きたいことを全部書いちゃうんだけど、今回はポップソングとして決まってる音数の中でニコラスの求める音像に合わせて自分の吐き出したい言葉を乗せていくケースなので入れなかったんですよね。このTokyo Versionは行間がたくさんある曲だとは思うから、各々が嫌な恋愛を思い出しながら聞いてもらえれば嬉しいなって思います。僕はそのロングバースにちょこちょこ「インスタのDM「とか「LINEのブロ削」とかっていうワードを入れてたんですけど、ニコラスが新たに「Slide in the DMs like Tokyo Drift」っていうフレーズを入れてて「ちょうど俺そういうリリック削ったんだよな」って思ってめっちゃ笑いました(笑)。 ミコラス:(笑)。 ―ミコラスさんは「LALALA」をはじめ、曲作りは自分にとってセラピーだと言っていますが、SKY-HIさんにもそういう感覚はありますか? ミコラス:恋愛がうまくいかなくても曲にしてヒットすることによって別の恋人ができる可能性があるかもしれないし(笑)。僕の場合、そういう出来事が起きた直後は自分の気持ちが混乱してるから曲にできないんだけど、時間がしばらく経って客観的に自分がその時どういう気持ちだったのかが見えてくると曲が書けるんです。 SKY-HI:僕はものによりますね。自分にとっての時事ネタか、今回の「LALALA」みたいにそうでないものかによっても変わってくるし。すぐ出さないと意味がないものもあるけど、今はありがたいことに納期に追われる生活をずっとしていて。早くやらなきゃいけないことが他にあるので、リリースしないで寝かせちゃってる曲が今4~5曲あって。早く出したくなってきました(笑)。 ―SKY-HIさんは今回の「LALALA」の他にも「JUST BREATHE feat. 3RACHA of Stray Kids」やタイのシンガーソングライター、Stampとの「ジェイルハウス feat.SKY-HI」や「Good 4 You feat. DABOYWAY」といった海外のアーティストのコラボを多くやっていますよね。 SKY-HI:確かに。今度出るBMSG POSSEのアルバムではCHANGMOともやってるしね。 ―その際に何か意識していることはありますか? SKY-HI:日本語を大事にすることですかね。「LALALA」の日本語詞の「ヤバすぎ ガチ無理」とかもジャパニーズスラングだなって思って入れたんですけど、そういう日本語を絶対に入れたいとは思ってるかもしれない。今回はミコラスが僕を呼んでくれたわけですが、僕がミコラスに絶対に負けないところは日本語のうまさだと思うんですよね。それは当たり前のことではあるんだけど、地球規模で見た時のアーティストとしての自分の特性は日本語で上手にラップができるっていうことになると思うので、そこを大事にしたいんです。「LALALA」もストリーミングやラジオとかで曲を聴いた人が「あれ? 日本語だ」っていう風に思うきっかけになるといいなって思ってます。 「LALALALALALALALALALA (Tokyo Version)」 MIKOLAS, SKY-HI 配信中
Kaori Komatsu