「オルカン一択でOK」は本当?…NISAで人気の全世界株式「オルカン」への投資で必ず把握しておきたい、株価暴落時に「とるべき対処法」【CFPが助言】
オルカン投資で重要なポイント (1)為替の状況にも注意する
一般的には、日本の投資信託を買っているため、円で出てきます。そのパフォーマンスが現在よい状態が続いているため、「オルカンがよい」と考える人も多くいるかと思います。もちろん、その考え方は間違っていません。しかし、指数は日本円に直したものと、米ドルベースのものとを比べることができるのです。 オルカンの指数だけを抽出し、パフォーマンスを調べてみると、少し異なるパフォーマンスであることがわかります。 たとえば、インデックスファンドのなかに、「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス」というものがあります。この指数を、円ベース、米ドルベースのものと比べると、パフォーマンスが大きく違っていることがわかります。 今、皆さんは円で投資をしているため、円ベースだけで見ると、海外に投資をしているときには、円安のメリットを受けている可能性が高いです。パフォーマンスを調べてみると、1年間で30%ほど回っています。1月末の時点で30%ほど、10年をみると13%程度運用できています。 ところが、これをドルベースで見た場合、15%強であることがわかります。半分程度になってしまうということです。そして、10年ものを平均で見ると9%ほどであるため、円べースと比べて、約4%平均値が変わっているのです。 米国に投資をしている=パフォーマンスがよければ一生安泰、と思わないほうがよいと、私は考えます。為替の状況も頭に入れたうえで、投資を行っていただきたいと思います。 もちろん、オルカンへの投資に日本株が入ってくるといったときには、円で投資、ヨーロッパならユーロ、イギリスならポンドといったように、現在投資しているものに関しては、為替の状況があるということを頭に入れておくとよいです。
オルカン投資で重要なポイント (2)暴落の回復スピードを理解する
投資をするとなったとき、世界中のいろいろな有事の影響を受けることになります。戦争や災害によって株価が下落することもあり得るのです。 東日本大震災のとき、日本では株価が下落し、不動産の価格が下がってREITの価格も落ちました。リーマンショックの際には、アメリカ発祥であるにもかかわらず、株価は世界中でどんどん下がりました。しかし、株価指数だけみると、一番早く回復したのはアメリカだったのです。回復の速いアメリカや他の国に比べて、日本はかなりの遅れをとっていました。 ただし、この回復の速さは、NYダウやS&P500が強かったのもありますが、ハイテク系の戻りが遅かったという印象です。そのため、投資の際にどこか一点に集中してしまうと、やはりリスクがあるといえます。投資をするときは、指数もバランスよく行うことが大切です。あまり似通ったものだけに集中しないことも重要といえます。 まずは、「アメリカは回復が速い」ということは頭の中に入れておいてください。