「オルカン一択でOK」は本当?…NISAで人気の全世界株式「オルカン」への投資で必ず把握しておきたい、株価暴落時に「とるべき対処法」【CFPが助言】
オルカンに投資するメリット
アメリカが60%を占めているとはいえ、世界株式に対してバランスよく投資ができていることを考えると、オルカンは、皆さんが投資をするうえで安心感があるといえます。たとえば、アメリカが少し不調でも、他の国がよかった場合、投資信託の基準価格が上がる可能性もゼロではありません。 そして、とにかく手数料が安いことが特徴です。そのため、長期運用の際には、余分な手数料を最小限に抑えることができます。 しかし、メリットばかりではありません。これはオルカンに限った話ではなく、どんなファンドも「メリット」と「デメリット」を総合的に考えることが大切です。
オルカンに投資するデメリット
思い出してほしいのが、リーマンショックです。アメリカのリーマン・ブラザーズが破綻したことで、世界中の株が同時に安くなりました。 このような下落を受けた場合、色々なところに分散していたとしても、安心とはいえないでしょう。すなわち、オルカンに投資をしていたら絶対に安心、というわけではないのです。 しかし、どこかの地域が悪ければ、その構成比率を変えられるため、オルカンに投資していたら安心なのでは、と思われるかもしれません。とはいえ、アメリカに60%以上投資していたところから、いきなり20%に減らして、ヨーロッパやオセアニアを増やすということは、あまり現実的ではありません。結局は、アメリカ経済が経済の中心であり、ここを大きく外すことは難しいのです。アメリカの経済状況が悪くなったリーマンショックの際、世界経済も引きずられたケースを考えると、安心とは言い切れないのではないでしょうか。 ですから、投資はバランスよく行うことをおすすめします。 ただ、自分で分散するのは面倒な人は、オルカンでもよいと考えています。一方、バランスよく投資を考えており、投資信託も複数考えているのであれば、オルカン一択でなくてもよいと思います。
オルカンとの併用で効果のある分散投資
オルカン以外にも、分散投資として「S&P500」や「全米株式型」に投資をするという人もいます。しかし、先述したように、オルカンのほとんどが、アメリカの株式に投資しているため、あまり分散効果はない、と言えます。アメリカの比率を高めることが悪いわけではなく、その点をしっかりと把握しているかどうかがとても重要です。 そして、全米株式型とS&P500は、似通ったパフォーマンスとなっています。1年、3年、5年と、短期で見ても、10年以上見ても似通ったパフォーマンスをしていることから、あまり分散効果があるとはいえません。そのため、オルカンならオルカン一択、アメリカ株であれば、全米株式型とS&P500のどちらかを選ぶとよいかでしょう。 バランスを考えて、いくつかに投資をしたいのであれば、全世界には投資をしたうえで、それ以外の指数(NYダウ、NASDAQ総合指数、NASDAQ100など)に着目するのがおすすめです。毛色の違う、パフォーマンスも異なるものに投資を検討してもよいかもしれません。