原口元気「勝ったと思った」ベルギー戦…なぜ日本代表はあの時、2点リードを守れなかったか
「びっくりしたよね」(原口選手)
2018年に入ってからの親善試合の結果が振るわなかった。サッカー協会は技術委員長だった西野朗氏を後任監督に決めた。
西野監督に交代してからのテストマッチ3試合は、最初の2試合は良いところなく敗れた。しかし、本大会直前のパラグアイ戦を4-2で勝利して、わずかに光明が差した。
本大会の初戦は前回大会で惨敗したコロンビア代表。原口選手は先発メンバーとしてピッチに立った。
「試合までの時間、ソワソワしちゃってさ。普通だったらさ、ゆっくりするじゃん。寝てらんなくて、ずっとソワソワしてベッドの間を歩いたり。やっぱワールドカップって、すごいなって思ってた」
原口選手を勇気づけたのは、古巣レッズのサポーターだった。
「ウォーミングアップでピッチに入っていくじゃん。そこで浦和のファンが横断幕を出してくれてて。それを見た瞬間に、フッと力が抜けて楽しみに変わった。その瞬間をめちゃくちゃ覚えてる」
「勝ったと思ったよ」
日本不利の下馬評を覆し、1次リーグは1勝1敗1分けで2大会ぶりの決勝トーナメント進出を決めた。決勝トーナメント1回戦の相手は、当時世界ランキング3位のベルギー。前半を0-0で折り返すと、後半開始直後、スルーパスから抜け出した原口選手が先制ゴールを突き刺した。
「夢かと思ったよね、本当に。映像を見たら分かると思うんだけど、一瞬びっくりしてるんだよね。『入っちゃった』みたいな。ワールドカップで点取るっていうのが達成できたし、相手はベルギーだし、一瞬頭が真っ白になった」
その後、乾貴士選手(現・清水エスパルス)のゴールで2-0。
「勝ってればね、本当に素敵な思い出になったと思うんだけど。今、時間が経ったからこそ思うけど、かなりいろんなものが詰まってたゴールだなとは思う」
この試合をベンチから見守った槙野さんは「(2-0になったとき)正直、勝てるだろうなと、次の対戦相手のこと考えて準備してました」と振り返る。