ロサンゼルス五輪の選考会当時を振り返る宗兄弟。左が猛さん、右が茂さん＝佐伯市の佐伯豊南高

　マラソンの日本代表として国内外で活躍した宗茂さん（71）＝旭化成陸上部顧問＝、猛さん（71）＝同総監督＝の兄弟が2日、大分県佐伯市の母校・佐伯豊南高の文化祭に登場。後輩たちに向けて熱いエールを送った。 　茂さん、猛さんは文化祭特別企画のゲストとして登壇。現役時の映像が流れる中、少年時代からファンの金田浩嗣校長とともに、代表権を得ながら日本代表がボイコットしたモスクワ五輪（1980年）や、その後の練習に臨む気持ちなど、当時の思いを振り返った。 　ロサンゼルス五輪（84年）の国内最終選考レースでは、レース終盤に茂さんが先頭集団からやや遅れた。それでも踏ん張り最後は兄弟そろって代表権をつかんだ。

移設された記念碑の前で都大路出場時の仲間と記念撮影する宗兄弟。右端が茂さん、右から3人目が猛さん

　茂さんは「まだいける、ここからだと思った。（先行者との）気持ちの切り替えの違いで、潜在能力はこんな時に出るんだと感じた」と話し、猛さんの思いもくみながら「人の成長に必要な素直な気持ちと心を持ち続けてほしい。私たちの支えは高校の3年間。原点でもあり『最高の高校なんだ』と自信を持ってやってきた。自分自身が通った道を誇れるようになってほしい」と後輩に訴えた。 　また会場には第21回全国高校駅伝大会（70年）に宗兄弟とともに初出場し、8位入賞を果たした仲間も駆け付け、活躍をたたえる碑と一緒に記念写真を撮るなど、再会を楽しんだ。