3連敗でパリ五輪を終えたバスケ男子日本代表、それでもトム・ホーバスは胸を張る「日本バスケが進んでいる将来への道は悪くない」
富樫「前回の東京大会よりは少し違う気持ちで終われた」
バスケットボール男子日本代表は目標のパリオリンピックベスト8進出のために必勝が求められたブラジル代表との試合を84-102で落とした。試合後、日本バスケットボール協会(JBA)が指揮官と選手のコメントを紹介している。 トム・ホーバスヘッドコーチは「八村(塁)選手の離脱はありましたが11名の選手たちが100%の力を出し切りました。今日はブラジルの3ポイントを止める事が出来なかったです」とし、28本中17本の成功(60.7%)と、超高確率で決められた長距離砲を敗因に挙げた。日本は結果的に3連敗でオリンピックの挑戦を終えたが、フランスと激闘を演じ、八村不在の緊急事態でもブラジルと互角の戦いを繰り広げるなど、間違いなく世界と戦えることを証明した。 だからこそホーバスヘッドコーチも「ベスト8(決勝トーナメント進出)というチームの目標を達成できず悔しいですが、それでも日本バスケットが進んでいる将来への道は悪くないと感じています」と、一定の手応えを得たようだ。 それは選手も同じ気持ちだろう。キャプテンの富樫勇樹は現実と向き合いつつ、同じ3連敗で終えた東京オリンピックとは違う、前向きな感情で大会を終えることができたという。「選手全員がチーム一丸となって努力してくれました。勿論、これが今の実力ですし、結果が全てではありますが前回の東京大会よりは少し違う気持ちで終われたかと思います。そしてこの経験が次の世代に必ず生きてくると信じています」 大黒柱の渡邊雄太は「八村選手の離脱はありましたが自分たちは準備は出来ていましたし、今日もスムーズにゲームには入ることは出来ました」と試合を振り返り、悔しさを滲ませながらも『日本のバスケ』を体現できたことへの満足感を示した。 「ベスト8という目標があった中で達成できなかった事に対して今は悔しい気持ちでいっぱいですが、3試合を通して世界に日本のバスケットを見せることは出来たと思います」 21年ぶりに自力での大会出場を決めた2019年のワールドカップは5戦全敗で32カ国中31位に終わり、東京オリンピックも初戦のスペイン戦こそ77-88と善戦したが、続くスロベニア、アルゼンチンにはいずれも20点差以上離される完敗を喫した。そして、2023年のワールドカップで3勝を挙げ(19位)、今回のパリオリンピック出場権を獲得した。結果は東京オリンピックと同じく予選敗退だったが、成長を感じ、希望が持てる『3敗』となった。
丸山素行