悪役だったエルサを変えた『Let It Go』 『アナと雪の女王』に隠された真実
■ディズニー作品への敬意が名曲を生んだ こうして、二人の音楽は、作品を制作していく中で大きな役割を果たすこととなった。もともと、ニューヨーク、ブロードウェイミュージカルで数々の賞を受賞するなど、多くの実績を持っている彼らだが、それでもディズニー作品へのリスペクトがなければ、今回の成功がなかっただろう。「正直言って、『リトル・マーメイド』や『美女と野獣』や『アラジン』といったディズニー映画への敬意がなければ、ディズニー映画の音楽なんて絶対に作れない」と二人は口を揃える。また、「ディズニーがこれまでやってきたこと、彼らが作りだしたマジックに大きな敬意を表して、そこに私たちなりのヒネリを加えたかったからよ」(クリステン)。 ■完成された作品に「全てが報われた」 『Let It Go』をはじめ、彼らの音楽によって命を吹き込まれたキャラクターたち。その姿を劇場で鑑賞したロペス夫妻は、全ての苦労が報われた思いだったという。 「最初に完成作を見た時には、私たちの歌に応じて、アニメーターがほどこした素晴らしい仕事を見て、二人とも『うぁー』となったわ。これまでの苦労が吹っ飛んでしまったわね。大きな贈り物だわ」とクリステンは笑顔で話す。 また、音楽チャートをにぎわせるだけでなく、インターネット上には、エルサやアナになりきって歌う一般の人の姿も少なくない。「この映画の曲を歌う自分の子どもの映像を、インターネット上にアップしていたり、この曲やアルバムがとても愛されているということを知ったり、サウンドトラックがビルボードでNo.1になってビヨンセに勝ったり(笑)、本当にすごいとしか言いようがないよ」(ロバート)。 二人の音楽が、この作品に関わる全てのスタッフと見事に調和しできあがった『アナと雪の女王』。そして世界中で愛される名曲の数々は、社会現象を巻き起こし、この先も語り継がれていくだろう。