スマホゲームコーナー、2024年は展示のインパクトで勝負【TGS2024】
中国を主体としたアジア系企業の展示が多くを占める、東京ゲームショウ2024(TGS2024)の「スマートフォンゲームコーナー」。その展示は装飾やコスプレでインパクトを与えたり、アトラクションに重点を置いたりと、ゲームの試遊だけにとどまらない工夫をしている様子だ。 【関連画像】Ujoy Gamesのブースでは配信予定の『アッシュエコーズ』を展示の主軸に据えているが、試遊はなくコスプレイヤーの撮影やグッズの配布などが展示の主体となっている 「Xperia」シリーズのスマートフォンを展示していたソニーの出展がなくなり、ややコンパクトになった感のあるスマートフォンゲームコーナー。単独で大規模なブースを構えるGoogle Playを除くと、その多くは中国を主体としたアジア系のゲームメーカーが多くを占めるようになった。 そうした今回のスマートフォンゲームコーナーで特徴的なのは、ゲームの試遊台による体験よりも、展示でインパクトを与えることに重点を置いている企業が多いこと。そのことを象徴しているブースの1つが中国Ujoy Gamesのブースである。 同社のブースは、スマートフォンゲームコーナーの中では大きなスペースを取り、配信予定のストラテジーRPG『アッシュエコーズ』を主にアピールしていた。ただし、ゲームの紹介は映像のみで試遊台はなく、コスプレイヤーの撮影やステージイベント、オリジナルグッズの配布などが主体となっている。 同じくスマートフォンゲームコーナーで大きなブースを構えている中国XDの場合、『ドールズフロントライン2:エクシリウム』『イザリア』といった新タイトルは試遊台を置いて展示する一方、もう1つの新作となるファンタジーRPG『Go!Go!マフィン』は、試遊に加え、お手玉投げゲームや占いなど、ブース内でのアトラクションにも重点が置かれている。 シンガポールJOY MOBILE NETWORKのブースも、同社のRPG『キノコ伝説:勇者と魔法のランプ』を前面に打ち出すにあたり、キノコの帽子をかぶった人などが踊るユニークなPVを流したり、キノコを被ったシュールかつセクシーなコスプレイヤーが登場。インパクトでゲーム名を印象付けることに重点を置いている印象だ。 こうした傾向はブースの大小問わず、2024年のスマートフォンゲームコーナーでは多く見られる。スマートフォンのゲームは画面が小さい上、配信済みのタイトルであれば手元のスマートフォンでプレーできてしまうことから、試遊台での展示がアピールにつながりにくい。このことから、より分かりやすくインパクトを与える展示内容でゲームの認知を高めることに重きを置く傾向が強まっているのではないかと考えられる。 一方で、ゲームタイトル以外のゲーム関連の展示は、インパクトよりも実際に試してもらうことに重点を置いているようだ。その1つがARグラスを開発・販売している日本XREAL(東京・港)のブースで、同社はARグラスに接続して利用するスマートフォンタイプのAR端末の新機種「XREAL Beam Pro 5G」を展示。実際にARグラスに接続してゲームなどを楽しめる体験コーナーに力を注いでいた。 またAIQVE ONE(東京・千代田)とANA NEO(東京・港)が共同出展しているブースでは、メタバース空間での旅行体験や、全日空(ANA)のサービスと連携してマイルを獲得できる「ANA GranWhale」のアピールに注力。既に配信されているサービスではあるものの、会場内でも実際に体験できる環境を用意していた。 (文・写真/佐野 正弘) なお、日経クロストレンドでは「東京ゲームショウ2024特設サイト」を公開中です。ぜひ、ご覧ください。 ・日経クロストレンド「東京ゲームショウ2024特設サイト」 https://xtrend.nikkei.com/sp/tgs/
佐野 正弘