オタフクソース 海外100億円目指す 米東部に新工場
オタフクソースは国内のグループ6社で毎年3%以上の売上拡大を図るとともに、前期56億円だった海外の売上高を28年度までに100億円へ引き上げる中期経営計画を明らかにした。17日、取引先関係者334人を招き、広島市で開いた近況報告会で発表したもの。 海外は現在、中国、アメリカ、マレーシアの3工場で商品を製造するほか、約50か国に輸出している。来年の稼働を予定するマレーシアの新工場に続き、27年度までにアメリカ東海岸へ工場を新設。 アメリカでは東部の売上高が4割を占め、現在のロサンゼルス工場だけでは「生産が追い付かない状況」(佐々木孝富社長)という。佐々木社長は「国内のインバウンド需要と連携し日本の食文化を世界に広げることが、事業の拡大につながる」と強調した。 一方、国内は業務用のODM事業、家庭用のエリアマーケティングを強化し、「既存事業の付加価値化」(同)を進める。ODMについては日光工場の生産体制を整備するとともに、外部委託のネットワークを作り「得意先からの要望に応えられる商品を供給できる体制」(同)を整える。 家庭用は特に東日本において、粉ものへの注力と揚げ物のチャレンジを図る。また、ODMの開発商品を家庭用に活用することで新市場を開拓する。 中計のテーマは「食の未来を共創」。佐々木社長は「まずは社員が自発的に活躍できる環境整備が大事。それがステークホルダーへの貢献につながる」と力を込めた。 なお、24年9月期の売上高はオタフクソースが前年比103.9%の275億4500万円、経常利益が113.5%の9億6500万円、グループ連結は売上高317億6200万円、経常利益18億5500万円で着地する見込み。 今期はオタフクソースの売上高285億円、経常利益9億8000万円、グループ連結は売上高333億円、経常利益15億8000万円を計画する。