よく映画などで「犯罪組織が偽札を製造するシーン」を見かけますが、実際のところ「偽札」を作るとどのような「罪」に問われるのでしょうか?
映画やドラマをみていると、大きな組織が偽札を製造しているシーンが流れていることもあるでしょう。詳しいことは知らなくても、偽札を作ってはいけないイメージをもっている人がほとんどです。 また、偽札を作るのは犯罪だと知っていても、どのような罪に問われるのか知らない人もいるでしょう。実は、偽札を製造していることが発覚すれば、想像以上に重い罪が科せられます。 本記事では、偽札を作った際に問われる罪の種類や、刑罰の内容、偽札作りの罪が重い理由を紹介します。また、印刷機で紙幣をコピーしたときに起こる現象についても紹介するため、興味のある方は参考にしてください。
偽札を作った際に問われる主な罪
偽札の製造は犯罪であり、製造が発覚すれば重い罪に問われます。ここでは、偽札の製造によって問われる主な罪を3つ紹介します。 ■通貨偽造罪 通貨偽造罪とは、使用を目的として、世間で通用する貨幣や紙幣、銀行券を偽造したときに成立する犯罪です(刑法第148条第1項)。通貨偽造罪が認められると、無期または3年以上の懲役が科せられます。 ■通貨変造罪 通貨変造罪とは、使用を目的として、世間で通用する貨幣や紙幣、銀行券を変造したときに成立する犯罪です(刑法第148条第1項)。通貨変造罪が認められると、無期または3年以上の懲役が科せられます。 通貨偽造罪と通貨変造罪は、通貨に対する信用を失わせるおそれがあるため、法定刑が重くなっています。 ■外国通貨偽造等罪 日本のお金だけではなく、外国のお金を偽造しても罪に問われます。外国通貨偽造等罪とは、使用を目的として日本国内で流通している外国の貨幣や紙幣、銀行券を偽造・変造したときに成立する犯罪です(刑法第149条第1項)。 外国通貨偽造等罪が認められると、2年以上の有期懲役刑が科せられ、未遂であっても処罰の対象となります。
偽札作りの罪が重い理由
偽札の製造は、人の命を脅かすような危険な行為ではなく、刑罰が重すぎると感じる人もいます。しかし、偽札を作る行為は単なる違法行為ではなく、通貨の信用が失われ、社会全体に深刻な影響を与える大きな危険性があります。 また、日本円の信用が失墜すると、国際社会における日本経済の立ち位置が大幅に下落する危険性もあります。偽札を作るという行為がもちあわせている際限のない危険性を鑑みて、偽造に対する法定刑が重く設定されているのです。 また、偽札作りは組織的な犯罪であることが多く、犯罪組織の資金源となる危険性があります。さらなる違法行為を助長し、社会全体に悪影響をおよぼすため、厳重に取り締まられていると考えられるでしょう。