「体が壊れても」勝てば優勝の京産大戦へ 復帰のPR松野が闘志/関西リーグ
関西大学ラグビーAリーグの天理大は28日、3連覇中の京産大と激突するリーグ最終戦(30日、花園ラグビー場)の出場メンバーを発表した。ともに5勝1敗の勝ち点25。勝った方が優勝の大一番へ、4試合ぶりの復帰となる先発右PR松野楓舞(4年)は「自分の体が壊れても勝ち切る、燃え尽きても良い気持ちで挑む」と不退転の決意を示した。 4季ぷりの王座奪還がかかる決戦へ、頼もしい男が戻ってきた。167センチと小柄ながら106キロとぶ厚い体を持つ松野は1年時からリーグ戦に出場。スクラムの要としてチームを支えてきた。だが、今季は相次ぐ両足のけがに悩まされ、出場は開幕節と第3節の2試合だけ。欠場した前節の近大戦(●26-28)ではチームはスクラムから崩され、敗れているだけに強力スクラムが伝統の京産大戦で松野にかかる期待は大きい。 「京産大はスクラムが強く、そこからゲームを作ってくる。自分の低さを生かしたスクラムで止めてリズムを狂わせる、それが僕の役割」と力を込める。 天理大は2020年度にリーグ5連覇を達成し、悲願の大学日本一に輝いた。だが、翌21年度に入学した松野ら4年生たちは優勝の味を知らず、それだけにこの一戦にかける思いは強い。 トンガ人留学生のNO・8パトリック・バカタ(4年)は「自分にとって関西リーグはラスト(の試合)。良い結果を残したい」と静かな言葉に闘志をにじませた 一昨季は10、昨季は12と2年連続でリーグ最多トライを記録したバカタだが、今季は4本だけ。対して計14本でトップを独走するのが、トンガ時代の中学校(トンガカレッジ)の後輩でもある京産大NO・8シオネ・ポルテレ(3年)だ。 バカタは「後輩が頑張っているのはうれしいが、先輩の意地を見せる」と気合。「トライはみんなのおかげだから(本数は)気にしていないが、フィールドの動きがもうひとつ」と今季を振り返り、「ボールキャリーのところでチームに勢いを出す。ディフェンスも頑張りたい」とここまでの不完全燃焼の思いを一掃し、チームを優勝に導くつもりだ。(月僧正弥)