高専生の無線技術コンテスト、総務大臣賞に徳山工業高専
情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)は、全国の高等専門学校生を対象としたワイヤレス技術のコンテスト「高専ワイヤレステックコンテスト2023」の最終審査となる本選大会を都内会場で開催し、最優秀の総務大臣賞に「クリプトクロム4(徳山工業高専)」が選ばれた。 【関連写真】優秀賞など 同コンテストは、2017年度に総務省主催でスタートした「高専ワイヤレスIoTコンテスト」を23年度からCIAJが主催として継承。大会名称を「高専ワイヤレステックコンテスト」に改め開催されている。3月1日に開催された本選大会では、採択された全23チームから、1月の予選大会を勝ち抜いた6チームの発表とデモが行われた。 総務大臣賞のクリプトクロム4は「マグネチックループアンテナによるビームフォーミングの研究」に取り組んだ。電界ノイズを受信しにくいのが特徴のマグネチックループアンテナ(MLA)は指向性や利得に弱点があったが、同研究ではシミュレーションによりアンテナエレメントの最適化を図り1ギガヘルツ以上の共振周波数を持つMLAをプリント基板上に製作することに成功。さらに4つのMLAと反射板、移相器を組み合わせることで、ビームフォーミング可能な高利得のMLAを実現した。 優秀賞に選ばれたのは「Team SOME-RISE(佐世保工業高専)」の「See-Side救わっど-マリンデブリモニタリングシステム-」。海洋ごみの漂着が多い長崎県・対馬の「マリンデブリ問題」の調査、清掃費用削減のため、LPWA(省電力広域)ネットワークによる自動モニタリングシステムを構築。人工知能(AI)を使い種別や漂着量を予測し漂着ごみの状況の常時把握に取り組んだ。
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