元”練習生”が現役K-1チャンピオンを告発「暴力で脅され日払いバイトの稼ぎを上納させられた」王者は「頼まれて生活の面倒を見ていただけ」と反論
キックボクシングの元アマチュア練習生が現役のK-1チャンピオンから「練習中に顔が変形するまで暴行を受けた」と警察に訴え出た。(前後編の後編) 【写真25枚】「K-1の現役チャンプから暴行を受けた」と訴えるAさんの「顔面崩壊画像」と「一方的に殴られる練習動画」。チャンプ側の「反論LINE・動画」も ***
「容赦なく練習が続いた」と訴えるAさん
キックボクシングの元アマチュア練習生だったAさん(30代前半)は、2021年10月、K-1チャンピオンの金子晃大(27)と2人きりで練習中に顎と鼻の骨を骨折する大怪我を負った。その際「練習にかこつけた暴行」を受けたとして、今年4月、千葉県警習志野警察署に提出したのである。 被害届は受理され、今月、金子は同署から任意の事情聴取を受けた。前編では金子がこの怪我について「故意ではなく練習中の事故だった」「その後も一緒に練習していたのになぜ3年前の話を持ち出すのかわからない」などと反論しているところまでを伝えた。(前編【千葉県警がK-1現役選手を任意聴取 元アマチュア選手が告発「人間サンドバッグにさせられ顎と鼻の骨を折られた」本人は「練習中の事故」と反論】を参照)。 後編ではAさんが大怪我を負った後にあった出来事について、双方の言い分を聞いていく。 Aさんは、退院後も「練習にかこつけた暴行」は変わらず続いたと話す。 「金子はどんどんエスカレートしていきました。攻撃を腕で防ごうとすると『腕どかせよ、邪魔だろ! ぶっ殺すぞ!』と怒鳴られる。通常、三日月蹴りは危険なので寸止めするものですが、彼は容赦無く私の頭部や腹部に食らわせました。腫れた耳を保護するために巻いていたタオルも気に食わないと『取れ』と命じられ、思いっきりパンチ・キックを受け続けた結果、耳は潰れてしまった。意識が朦朧としてこのまま死ぬかもと思ったことは一度や二度ではありません」
パンチやキックの効果を試す「実験台にさせられた」
なぜ大怪我を負った後も金子の元から離れなかったのか、という疑問にAさんはこう答えた。 「私は格闘技のセンスがなく一向にデビューできませんでしたが、あの頃はまだしがみついてでも続けたいという思いがありました。だから彼と行動を共にしてしまった。彼はそんな私の思いを利用し、暴力で支配して洗脳し続けたのです」 大怪我から半年ほどすると、個人マネージャーのような扱いを受けるようになったと話す。 「マネージャーになりたいと言ったこともなければ同意したこともありません。暴力が怖く従わざるを得ず、無給で働かされました」(同) 週3回、朝9時に金子が通う門前仲町のパーソナルトレーニングジムに、シューズなどの練習道具を届けるのが日課になった。そして金子がトレーナーとの練習を終えると、人目がつかない建物の陰に連れて行かれ、「暴行」が始まったというのだ。 「この頃になるとボディプロテクターをつけることもなかった。キックやパンチがどの程度相手にダメージを与えるかを試す『実験台』にさせられ、それを動画に撮らされるのです」(同)