このままではヤバイ…。ヨーロッパで消えかけている神童6人。期待されていたほど伸びていない男たち
FW:アンス・ファティ(スペイン) 生年月日:2002年10月31日 所属:ブライトン 22/23リーグ戦成績:13試合2得点0アシスト 2019年当時、アンス・ファティの登場でバルセロナの安泰を確信したサポーターも多いのではないだろうか。この逸材は2019/20シーズンに12年間破られてこなかったボージャン・クルキッチが保持していたクラブ史上最年少ゴール記録を更新。今季ラミン・ヤマルが抜くまではこの記録を保持していた。 デビューシーズンにいきなり7ゴールを決めると、2020年9月に17歳でスペイン代表デビューを飾る。瞬く間にスターダムへと駆け上がったファティは、世代交代を図る必要があったバルセロナの期待の星となった。しかし、2020年11月に負った半月板損傷から彼のキャリアは停滞してしまう。 リオネル・メッシ退団後は背番号10を与えられるなどバルセロナの期待値も高かったが、この大怪我で約1年間離脱をした後のスケールはやや小さくなってしまった。なかなかデビュー当初に持ち味としていたスピードが戻らず、自信喪失もあってかドリブルでの仕掛けも減少。かつては個人技でゴールを奪えたところが難しくなってしまった。 そして今季は環境を変えるためにプレミアリーグのブライトンへとローン移籍している。ロベルト・デ・ゼルビ監督も過去の負傷歴を考えて慎重に起用していたが、昨年12月にふくらはぎを負傷。当初予想されていた期間よりも早く復帰をしたが、なかなかトップフォームには戻せずにいる。個人で違いを作るプレーもほとんどなく、完全復活には至っていない。
MF:ニコロ・ザニオーロ(イタリア) 生年月日:1999年7月2日 所属:アストン・ヴィラ 22/23リーグ戦成績:17試合1得点0アシスト ニコロ・ザニオーロの可能性に多くのファンがロマンを抱いているだろう。190cmとサイズがありながらストライドの大きいドリブルでの推進力と強烈な左足での一撃で、若くしてロマニスタの心を掴んだ。彼のようなスタイルの選手は他のイタリア人にはおらず、まさに“異端の存在”と言って良い。 19歳で迎えた2018/19シーズンにセリエAの年間最優秀若手選手賞を獲得したザニオーロは、瞬く間に名門ローマの主力に定着。前所属のインテルが放出を悔いたであろう活躍を見せつけた。しかし順調に成長していると思われた中での2020年1月に右膝の前十字靭帯断裂と半月板損傷の重傷を負った。これを克服して代表復帰を果たした直後の試合で、今度は左膝の前十字靭帯を損傷した。 2020年だけで2度の靱帯損傷を負った逸材は、この大怪我から復帰を果たした後も細かい負傷を繰り返す。そして2023年冬の移籍市場では自らローマ退団を希望し、サポーターからは「裏切り者」のレッテルを張られた。最終的にはガラタサライへと移籍する形となり、セリエAでトッププロスペクトと思われた逸材のトルコ移籍は衝撃を与えた。 まさかの移籍から半年後にエミリアーノ・ブエンディアとジェイコブ・ラムジーが長期離脱していたアストン・ヴィラが買い取りオプション付きのローン移籍で獲得した。再びトップレベルのリーグへと帰還したザニオーロだが、数字に残る活躍を披露することができず、ラムジーが怪我から復帰してからは完全にベンチ要員に。イタリア『ガゼッタ・デロ・スポルト』によると、ヴィラはザニオーロを買い取る意思がなく、本人も来季のセリエA復帰を目指しているそうだ。イタリアの期待を背負う逸材は完全復活を遂げることができるのだろうか。
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