このままではヤバイ…。ヨーロッパで消えかけている神童6人。期待されていたほど伸びていない男たち
MF:ライアン・セセニョン(イングランド) 生年月日:2000年5月18日 所属:トッテナム 23/24リーグ戦成績:0試合0得点0アシスト 「彼が世界トップクラスの左SBになることは99%間違いないだろう」。これはフラム時代のチームメイトであるスレファン・ヨハンセンが発した言葉だ。16歳でトップチームの絶対的な選手へと定着した若き才能が残した衝撃は凄まじかった。 デビュー2年目の2017/18シーズンはチャンピオンシップで15得点6アシストを記録。左サイドのスペシャリストとして、SBからWGまでを柔軟にこなし、チームのプレミアリーグ復帰の立役者となった。初のトップリーグ挑戦となった2018/19シーズンも主力としてシーズンを戦い抜き、チームは降格したが、オフにトッテナムへ引き抜かれる形で個人残留を果たした。 セセニョンはその攻撃的なスタイルから10代の頃からトッテナムOBのガレス・ベイルと比較をされてきた。彼と同じようなキャリアを歩むことが期待されていたが、現時点では全くそのポテンシャルを発揮できていない。トッテナム加入後からハムストリングの怪我を繰り返すようになり、昨年7月には再発防止のための手術を行った。 今年1月5日に行われたバーンリーとのFAカップ3回戦で約11ヶ月ぶりに実戦復帰を果たしたセセニョンだったが、この試合を最後に再びハムストリングを負傷。2月17日に行われたU-21の試合で復帰を果たしたが、37分にまたもハムストリングを痛めて途中交代となり、再び離脱となった。癖となっている怪我の影響で試合に全く絡めていないのが現状であり、この稼働率の悪さでは移籍先も見つからないだろう。かつて「世界トップクラスの左SBになることは99%間違いない」と言われていた逸材は、完全に伸び悩んでいる。
FW:ファビオ・シウバ(ポルトガル) 生年月日:1999年11月10日 所属:レンジャーズ 22/23リーグ戦成績:8試合0得点0アシスト(プレミアリーグ) 7試合2得点0アシスト(スコティッシュ・プレミアシップ) ファビオ・シウバのデビューは鮮烈だった。ポルトのユース出身のストライカーはクラブ史上最年少でデビューを果たすと、ポルトガル代表MFルベン・ネベスが保持していた最年少ゴール記録も17歳と3ヶ月に更新。そのほかあらゆる最年少記録を更新したことで一躍注目を集めた。 この逸材を真っ先に確保したのがポルトガル化を図って強化していたウォルバーハンプトン(以下ウルブス)である。当時18歳のFWに4000万ユーロ(約56億円)の移籍金を投じて獲得に成功した。その10代とは思えないフィジカル能力はイングランドでも片鱗を見せたが、ストライカーとして肝心の決定力不足が露呈。2022/23シーズンはアンデルレヒトとPSVへローン移籍の形で経験を積ませることを決断した。 カテゴリーを下げたリーグではある程度数字を残すことができたが、世界最高峰のプレミアリーグで結果を残すことは難しい。最後に同リーグでゴールを決めたのは2021年5月にまで遡り、ローン先から帰還した今季前半戦もウルブスでプレーしたが、8試合で1度もネットを揺らすことができなかった。その結果、プレミアリーグでの連続ノーゴール記録は現在34試合にまで伸びている。今冬にはレンジャーズへと再び武者修行に向かった。 ポルトガルU-21代表でもゴールを量産するなど、世代別代表では突き抜けた存在であることは間違いない。ただ、プレミアリーグのような世界最高峰のリーグで結果を残せるほどの実力を持っていないのも事実だろう。まずは現在のローン移籍であるレンジャーズでウルブスの首脳陣が唸るような結果を残したい。