広島、9季ぶりのJ1制覇ならず 逆転優勝へ勝利目指すもまさかの完敗…主将の佐々木「本当に悔しいの一言」
◇8日 J1リーグ第38節 G大阪3―1広島(パナスタ) 広島は9シーズンぶりのJ1制覇はならなかった。逆転優勝のためには、少なくとも勝ち点を獲得することが必要だった中で、まさかの完敗を喫した。 広島の選手たちは、試合終了の笛が鳴り響くと、ぼうぜんとした。うなだれる者に膝や腰に手をあてる者。佐々木主将は「本当に悔しいの一言」とピッチ上で号泣した。「点を取れなきゃ勝てないし、点を取られりゃ負ける。単純ですけど、そこに尽きる」と唇をかんだ。 この試合を最後に引退し、来季は広島のコーチに就任する元日本代表の青山は、「この試合は僕たちを強くする。成長につながる。絶対にそうさせる。勝てるチームをつくりたい」と前を向いた。 新スタジアム1年目での戴冠こそ逃したが、一昨季と昨季がともに3位で今季2位と、リーグで上位を維持し続けている安定感は称賛に値する。潤沢な資金を持つクラブではないだけに、なおさら評価できる。スキッベ監督は「自分たちのチームに『本当におめでとう』という言葉を贈りたい。昨年よりも成績がよかったし、いいシーズンを送れた。いいサッカーを見せられたというふうに思う」と胸を張った。 ただし、現状に満足しているわけではもちろんない。来季こそは優勝シャーレを掲げるつもりだ。「強い広島をもう一回見せてやろう」。来季続投が既定路線の指揮官は、試合後に組んだ円陣の中で、選手たちをそう鼓舞した。
中日スポーツ