『ギークス』中村里帆が物語に吹き込んだ新たな風 西条×安達×芹沢のラブコメ要素が加速?
“問題点”を巧みに打ち消した西条(松岡茉優)の笑顔
第7話では、新キャラクター・れいな役で中村里帆が初登場。NHK連続テレビ小説『らんまん』やドラマ『推しが武道館いってくれたら死ぬ』(ABCテレビ・テレビ朝日系)で存在感を示してきた彼女の参加で、物語に新たな風が吹き込まれた。れいなは芹沢の妹といえど、真面目で熱血漢な兄とは全く違うタイプである。母親からの指示で芹沢にお見合い書類のサインを迫る姿や、西条を「ゆいぴー」と呼ぶ親しみやすさが印象的だった。 さらに、「どうせなら2人くっついたら?」と提案するなど、西条を巡り、安達との三角関係が描かれることを匂わせるような発言も。ラブコメ要素を加速させる妹の登場に、第8話からはキャラクターたちの恋愛ドラマももう少し色濃くなっていく予感がする。 とはいえ、正直なところ、安達(白洲迅)のキャラクターをめぐる違和感は依然として残る。前回のツンケンとした態度は、西条のようにプライベートと仕事を明確に区別する姿勢だと明かされたものの、その変化の激しさに戸惑う視聴者も少なくないだろう。仕事で見せるプロフェッショナルな冷静さと、個人的な感情の揺れ動きの落差が、あまりにも大きすぎるのだ。 しかし、この問題点を巧みに打ち消したのが西条の最後の笑顔である。安達からのデートの誘いを即座に断りながらも、ドアの裏で密やかな喜びを噛み締めるように微笑む西条の表情に、視聴者は思わず「まぁ西条が幸せなら……!」と心を動かされる。この普段は不器用な西条の魅力こそが、ある意味では他のキャラクターの不完全さをも包み込む、本作ならではの独特の味わいなのかもしれない。 今後の展開では、ベールに包まれたままの“安達の本心”と、芹沢を交えた三角関係の行方に注目が集まるだろう。この絶妙なバランスで紡がれる人間模様に、残りの話数への期待が高まる。
すなくじら