「黒豚のパズル」が中国で大ヒット、今や外国人観光客に人気のお土産に!「解体パズル」の開発秘話
◆さらに広がる「解体パズル」の世界
解体パズルシリーズは、基本的には食材から始まって、実在の生き物を解体する形で展開していますが、そこから派生した別シリーズも登場しています。それが、「解体パズルLite」や「解体パズル・サイエンス」、「解体パズルFANTASY」です。 「『解体パズル・サイエンス』は、恐竜などの最新の研究結果などを踏まえたモチーフを扱うカテゴリーです。元の解体パズルはおもちゃから派生したので遊びの要素を生かしたいなと考えて作っていますが、サイエンスは組んで、並べてという知育的な要素が強めですね。FANTASYは、キャラクターをモチーフにしたシリーズです」と押尾さん。 「解体パズルFANTASY」のシリーズからは、例えば『ウルトラマン』に登場する宇宙怪獣「ゼットン」を設定に、忠実に内部が再現されています。また、サンリオのキャラクターを使ったシリーズなどもラインアップされているから驚きます。 もちろん、こちらは内臓パズルなどではなく、夢のある中身が詰まっているといった構成になっていますが、ちょっとした毒やユーモアは健在で、そのあたりのバランスが、本当にうまいメーカーなのだなと思いました。 「解体パズルLite」は食材を扱いながら、「にんにく」「納豆」「うに」「寿司」、そして新製品の「たこ焼き」と、中身を解体するというものではなく、そのものがバラバラのパーツになっていて、それを組み立てるという、パズルとしてはむしろ本道の製品になっています。 「サメもそうですが、やはり解体できるグルメのネタは限られている中で、これ以上の広がりをどうするかというところで立ち上げたシリーズが『解体パズルLite』です。まずは身近にあって親しみやすいにんにくや納豆から始めました。 解体パズルの知育的な部分や、洒落っ気のような部分は少ないですが、立体ジグゾーパズル的な面白さがあると思います。あと、パーツが少ない分、価格も低めに設定しています」と押尾さん。 「私は、今回、サメを担当して、たこ焼きも担当したのですが、開発的にはたこ焼きの方がすごく大変でした。“Lite”といっていますが、パズルとしては本格的です」と芳賀さん。 現在、芳賀さんは新製品に取り掛かっているそうですし、メーカーとしても、このシリーズはまだまだ育てていく方向で動いているそうです。 食材からサメへ、また途中でLiteではなく解体パズルのシリーズで「へいおまち!!醤油ラーメン解体パズル」が出ていたりと、さまざまな試行錯誤が続く中で、確実に面白い製品を出し続けられているのですから、新製品にも期待してしまいます。
▼納富 廉邦プロフィール
文房具やガジェット、革小物など小物系を中心に、さまざまな取材・執筆をこなす。『日経トレンディ』『夕刊フジ』『ITmedia NEWS』などで連載中。グッズの使いこなしや新しい視点でのモノの遊び方、選び方を伝える。All About 男のこだわりグッズガイド。
納富 廉邦(ライター)