「黒豚のパズル」が中国で大ヒット、今や外国人観光客に人気のお土産に!「解体パズル」の開発秘話
◆牛、マグロ、豚、カニ、鶏、フグ、羊と続き世界的なヒットに
シリーズは、牛、マグロ、豚、カニ、鶏と続きます。これが、海外でも評判を呼び、中国やアメリカでは人気商品となり、外国人観光客のお土産としても人気になりました。 特に「一頭買い!!黒豚パズル」は、中国で大ヒットして、中国ではお祝いなどの席で欠かせない“豚の丸焼き”をモチーフにしたバリエーション「一頭買い!!豚の丸焼きパズル」も発売。実際に丸焼きになった豚を食卓に載せた姿を再現できるディスプレイスタンドなども付属する凝った製品です。 「豚の次が鶏ではなくカニになったのは、牛、マグロと陸のもの、海のものという順序だったので、そこを踏襲しているからです。肉だけで作ると広がりがないという考えもありました。また、最初はパズルのパーツに部位名を刻印していたのですが、海外版を出しやすくする意味もあって、途中からタンポ印刷(※)に変えています」と押尾さん。 ※インクをつけたシリコンゴムのパッドをスタンプのように押し付けて印刷する方法 解体パズルシリーズは一見して面白そうだということが伝わるから、話題になるのですが、実際に遊んでみると、最初の印象以上に面白く、興味深い製品だということが分かります。 まず何より、生き物の「解体」というデリケートな題材であることをメーカー側が十分に理解した上で、楽しく遊べる製品として成立させていることが、実際に遊んでみるとよく分かるのです。 「企画の最初には理科室がモチーフだったこともあってカエルもあったのですが、それが製品化されず牛が残ったというのも、内蔵をガッツリ見せるのではなく肉の部位にしたのも、“ファンシー”に見せるためという考えが最初からあったからです。その代わり、肉の部位自体は、きちんとリアルにこだわります」と押尾さん。
◆食材から離れた野心作「解体パズル ホホジロザメ」ができるまで
食材がモチーフになっているのも、そういう部分への配慮なのでしょう。ところが、今回ついに、食材を離れてホホジロザメが取り上げられました。当然、パズルのパーツも内臓です。 「食材に縛られると、どうしても狭い展開になってしまうというのがあって。それでも中身が気になる生き物はかなりたくさんいると思っていました。それでちょっと変わった生態で、中身が気になって、中を開けた状態が人間的に拒否反応の起きない、グロくないものはないかと考えたんです。 犬や猫は正直イヤですし、中身にも興味が持てません。そう考えていって、モチーフとして人気があるものならサメ、それもホホジロザメだよねと企画がまとまりました」と今回、「解体パズル ホホジロザメ」の開発を担当されたトイ事業部企画チームの芳賀智江さん。 2025年は映画『ジョーズ』の公開50周年ですし、サメ映画は日本でも大人気です。しかも、この「解体パズル ホホジロザメ」は、それだけの製品ではありません。実際に組み立ててみると、サメの体内がいかに興味深い構造であるかが理解できると同時に、ディテールまで徹底的に作り込まれている製品としての楽しさに圧倒されました。 例えば、目が片方、別パーツになっていたり、頭の骨の中に小さな脳を差し込むようになっていたり、子宮の中には子サメがいて、胃の中には何か分からない謎の骨が入っていたりします。 「サメは何でも食べるから、胃の中から正体不明の謎の骨が見つかることがあるらしいんですよ。そういったサメの性質を表現したくて、骨を入れました。製品を作るにあたって、ホホジロザメについてかなり調べたんです。そこにかなり時間がかかりました」と芳賀さん。