「黒豚のパズル」が中国で大ヒット、今や外国人観光客に人気のお土産に!「解体パズル」の開発秘話
◆リアルとかわいいの絶妙さにユーモアもプラスするバランス感覚
さらに、このシリーズ全体の特徴として、各パーツはリアルに造形しつつ、全体はかわいらしく見えるような配慮がなされているという点があります。牛にしても顔がかわいくて、足がちょっと短いことで、全体のフォルムに愛嬌(あいきょう)があります。 マグロの顔もそうですし、サメに関しては、芳賀さんはつぶらな瞳になるように、何パターンも提案されたのだそうです。 「サメって目が死んでいるというイメージがありませんか? でもそこをリアルにしてしまうと怖くなりすぎる。それはこのシリーズでは微妙だなと思っていて。サメに関しては、それこそ『ジョーズ』みたいに怖い顔にしてもいいかとも思ったのですが、愛らしさがないと、体半分の中身が見えてしまっているから、かなり怖いモノになっちゃうなと。 なので、歯茎は見えているけどあごや歯は控え目になっていたり、少し寸詰まりなフォルムにしたりと、いろいろ考えています」と芳賀さん。 水しぶきを上げてサメが水上に現れているように見える台座が付属しているのですが、これにも仕掛けがあって、サメの背びれのパーツだけを、このスタンドに装着できるようになっています。そうすると、サメ映画でおなじみの「水上を背びれだけが近づいてくる」あのシーンが再現できるわけです。 それこそ、最初の焼肉パズルのお皿に始まり、「一尾買い!!トラフグ解体パズル」のフグ調理師免許証、「一本買い!!キングサーモン解体パズル」のサーモンの寿司など、何かひとネタを仕込むことが、この「解体パズル」シリーズの伝統になっているようです。 「初代の担当者がとにかく凝る人で、今回私がサメのパズルを制作するにあたっても、その人にいろいろ教えていただいたんです。もう本当にモノづくり全般に渡って勉強になりました。 一応、私が解体パズルの2代目担当ということになるのですが、緻密でこだわりが強くて、愛情を持って要素を詰め込むといったところは受け継いだと思っています」と芳賀さん。