「本物もかっちょよか!」野球少年の憧れ・和田毅投手“長崎の坂道ダッシュ”で磨いた左腕に感謝を込めて
5日、福岡ソフトバンクホークス和田毅投手(43)引退の報道が列島を駆け巡った。毎年1月、長崎での自主トレからシーズンをスタートさせていた和田投手。筆者の私(ホークスファン)は、大谷翔平世代の元野球部。20年ほど前、私が小学生のころ、長崎市で和田投手らが指導者として開いた野球教室に参加したことがある。「あっ、和田やん!本物もやっぱかっちょよか!」と保護者らと話したこと、そして丁寧に熱く指導してもらった記憶が鮮明に残る。その和田投手が引退…。 【画像】和田投手自主トレ″坂道ダッシュ”も笑顔で(2022年1月) パ・リーグ最年長「現役最後の松坂世代」としても知られるホークスの和田毅投手。そんな和田投手のシーズンは、決まって長崎から始まった。 2019年からは、長崎市の県営野球場(ビッグNスタジアム)で自主トレを実施。阪神タイガースの大竹耕太郎投手ら和田投手を慕う後輩たち(ことしは16人)が集まる通称「TEAM21」は、2月のキャンプイン前に長崎で体づくりに励んできた。 長崎は「坂のまち」。球場近くにある長崎県護国神社に続く約180メートルの急坂を駆け上がる「坂道ダッシュ」も恒例メニューだった。 島根県出雲市出身の和田投手。2022年1月のインタビューで、自主トレの場所としての長崎について、「走る場所もたくさんありますし、施設も最高ですし、逆にここ以外を選ぶ理由がない」と語り、毛嫌いされることもある坂だらけの長崎の地形を称え、自己研鑽の場として選び続けてくれた。 この時のインタビューで「来季(2022シーズン)は『やるか、やめるか』という選択になってくると思う。年齢らしからぬ投球が見せられたら」とも語っていた和田投手。この時40歳。 不惑の左腕はそこから3シーズンで17勝を積み重ね、日本通算160勝でマウンドを降りることとなった。 自主トレの必要がなくなった今後も長崎に来てくれることを願って…。現役生活22年、お疲れ様でした。そして、ありがとうございました。
長崎放送