シリア基地から貨物機が離陸、アサド政権崩壊受けロシアが軍装備など撤収開始か
シリアの港湾都市ラタキアに位置するロシアのフメイミム空軍基地ではアサド政権の崩壊以降、活発な動きがみられている。 シリアの当局者によると、基地に貨物機とヘリコプターが着陸する姿が目撃されており、少なくとも貨物機1機が14日、リビアに向けて出発したという。13日に公開された衛星画像では、フメイミム空軍基地で貨物などの積載準備が整った大型輸送機「アントノフAN─124」とみられる機体が少なくとも2機写っていた。 シリア当局はロイターに対し、アサド政権崩壊後、ロシアがシリア北部の前線から軍を撤退させている中での動きだと述べた。 ロシア側と連絡をとっているシリア軍と治安部隊はロイターに対し、ロシア政府が重装備や軍高官を撤収させるとしており、撤退の動きが続くだろうと語った。 ロシア軍はアラウィ山脈からも撤退するが主要2基地は放棄しないとしている。 シリア国内のロシア軍基地は、ロシアの地政学的影響力に不可欠で、タルトゥース海軍基地は地中海で唯一の修理・補給拠点、フメイミム空軍基地はアフリカでの軍事活動などの主要な中継基地となっている。 反体制派のジャウラニ指導者がロシア基地について長期的にどのように見ているか、ロイターはすぐには確認することができなかった。 ロシアは2015年にシリアに軍を派遣。内戦でアサド政権を支援し、影響力を拡大させた。プーチン大統領は8日、アサド氏と家族に対し、人道的な理由で亡命を認めた。