内戦から復興 観光立国へ スリランカの魅力
21ー22日にスリランカフェスティバル開催
東京・代々木公園で開催されるスリランカ・フェスティバル(9月21日、22日)が、今年で10回目を迎えます。スリランカはかつて、26年間にも及ぶ内戦で延べ7万人が犠牲になるなど混迷を極めていましたが、2009年5月に終結。それ以降、急速な経済発展を遂げ、その経済を支えている1つが観光業と言われています。2010年に約1.4万人だった日本からの渡航者は2012年には1.8倍以上に成長。2013年には、1月~7月までで、すでに1.5万人以上が渡航していて、昨年を上回る見込みです。また、隠れた親日国家でもあり、日本との友好の歴史も魅力の1つです。そのスリランカについて解説します。
大きさは北海道の約8割 世界遺産は8件
インド南東に位置するスリランカは、国土約6万5000平方キロメートル、北海道の約8割ほどの小さな島国です。しかし、この小さなエリアに、文化遺産6件、自然遺産2件の世界遺産があります。中でも有名なのは、1982年に世界遺産登録された中部州マータレーにあるシーギリヤロックなどがある古都シーギリヤです。テレビ番組などでも紹介され、話題となっています。シーギリヤの遺跡は5世紀にカッサパ1世によって造られ、中でも要塞化した岩上の王宮跡であるシーギリヤロックは、標高370メートル、岩そのものは約200メートルもの高さがあります。ほかにも以下の世界遺産が登録されています。 ■文化遺産(登録年) 聖地アヌラーダプラ(1982年) 古都ポロンナルワ (1982年) 聖地キャンディ(1988年) ゴール旧市街とその要塞群 (1988年) ダンブッラの黄金寺院 (1991年) ■自然遺産(登録年) シンハラジャ森林保護区(1988年) スリランカの中央高地(2010年) 世界遺産以外にもインド洋でのビーチリゾートや、ときには100頭以上の象の群れに遭遇できるかもしれない「エレファント・ギャザリング」(8月~9月の間)なども人気があります。また、アーユルヴェーダも人気の1つです。アーユルヴェーダとは、インド大陸での伝統的医学ですが、エステやマッサージなどの要素もあり、女性に人気が高いです。リゾートホテルで、こういった体験ができるのも人気の理由となっています。 JTB総合研究所の波潟郁代氏によると「もともと、スリランカの世界遺産は世界的にも注目を集めていましたが、これまでは“遺跡をみる”だけだった。それが、内戦後にホテルがリゾート化して、リゾートホテルライフを楽しめるようになったこともあり、日本の観光客から注目が集まりつつあります」と分析します。