内戦から復興 観光立国へ スリランカの魅力
隠れた親日国家 スリランカ
スリランカは知る人ぞ知る親日国家です。同じ仏教国ということもありますが、ある人物の日本への献身さが、日本とスリランカの懸け橋になっています。 その人物とは、スリランカの初代大統領ジュニウス・リチャード・ジャヤワルダナ氏(1906年9月17日 - 1996年11月1日)です。同氏は、第二次世界大戦後、1951年のサンフランシスコ講和会議に、セイロン(現・スリランカ)代表として出席。大戦中、日本軍による攻撃を受けたにも関わらず、その会議で「日本の掲げた理想に、独立を望むアジアの人々が、共感を覚えたことを忘れないで欲しい」と話し、また「憎悪は憎悪によって止むことはなく、慈愛によって止む」という仏陀の言葉を引用し、日本に対する賠償請求を放棄する旨の演説を行っています。当初、分割による統治が検討された日本ですが、この演説に各国の代表が賛同。同氏の呼び掛けが、日本の国際社会への復帰を、1つの国として実現するきっかけとなりました。 さらに、ジャヤワルダナ氏は1996年亡くなられた際に、ドナーとして角膜提供を行いました。遺言には「右目はスリランカ人に、左目は日本人に」と遺言に記載。これにより、実際に長崎県に住む日本人に角膜を提供しました。このように日本との友好関係に尽力された事実は、スリランカでは、子どもからお年寄りまでが知っている話ですが、日本ではあまり知られていません。「(親日については)今のところ、スリランカの片思い状態ですが、より多くの日本の方にこの話も含めスリランカについて知ってほしい」と同国政府観光局関係者。 大自然や世界遺産を持つ地域として、また日本との友好国家としても、私たち日本人にとって魅力ある国へと発展を遂げているスリランカ。同国政府観光局は2016年までに、12.5万人まで渡航者を伸ばしたい、と両国の交流の拡大を目指しているそうです。