船井電機会長、民事再生を申請 破産手続き中、異例の展開
船井電機の破産手続きに反対している元環境相の原田義昭会長は2日、東京都内で記者会見し、民事再生法の適用を東京地裁に申請し受理されたと明らかにした。「事業活動ができるように努力したい」と説明。破産と民事再生の両方が申し立てられるのは極めて異例で、司法判断が今後の焦点となる。 原田氏側は民事再生法の手続き開始が決定すれば、破産は中止になると指摘。ただ、実際に破産手続きが止まった事例はほとんどないとされる。 船井電機の負債総額は、東京商工リサーチによると約470億円。原田氏側は民事再生法の申立書で「破産開始決定直前までは事業再生を具体的に計画し、着手していた」と主張した。グループ全体では約200億円の資産超過の状態にあるとし、テレビ事業を売却する交渉も進んでいたと明らかにした。 破産手続きは、取締役の一人が単独で「準自己破産」を東京地裁に申し立てた。開始決定が出た後に原田氏が即時抗告しており、高裁で審議する。原田氏側は、この取締役が10月中旬に解任されていたとも主張した。