着ると違いがわかる「karrimor(カリマー)」の「サーマルハーフジップ(thermal half-zip)」
アウトドアショップで各社の製品を見ると、フリースの機能が非常に進化していることがわかる。従来通りにフリースと呼んでいいのか戸惑うほどだ。
そこで今回は、とくに軽くて薄くて肌触りがよく、しかもストレッチが効いて暖かい「カリマー」の「サーマルハーフジップ」について、カリマーインターナショナル株式会社商品部の狩野ゆかりさんに詳しく話を聞いた。
中空糸「Octa Ⓡ」をダブルラッセル編みした生地を、スライスで半裁してある!
さりげない外見ながら高い機能を備えている「サーマルハーフジップ」にどんなテクノロジーが生かされているか聞く前に、まず一目でわかる特徴として、胸のポケットが右側についている。これにはどんな意図があるのだろう?
「アウターとのレイヤリングを考慮して、ミドルレイヤー(中間着)として着用した場合にポケットの収納物が左側にばかり集中しないよう、右側にチェストポケットを設けました。アウターの胸ポケットには素早くアクセスしたいもの、たとえば地図や行動食などを入れておき、肌に近いミドルレイヤーの胸ポケットには携帯やカイロなどを入れるのが、おすすめの使い方です」 スキー場など外気温の低い場所に行くと、携帯のバッテリーの減りが早い。低温になるのを避けるには、アウターよりミドルレイヤーのポケットに入れたほうがいい。カイロもアウターよりミドルレイヤーのポケットが適しているだろう。ちょっとしたことだが、ポケットが左胸ばかりにあるより、左胸と右胸に分かれているほうが合理的だ。 さて、手触りがソフトで軽くてストレッチ性が高い、着心地のいい「サーマルハーフジップ」のことは、従来通り「フリース」と呼んでも差し支えないのだろうか? 「はい、大きな区分けでいうとフリースです。保温性・透湿性・ストレッチ性などを高めた高機能なフリースの一種ですね。どんなところに機能の高さが由来するか、表側だけ見てもわかりにくいかもしれません。裏地……正確には裏ではなく、生地を半裁して開いた内側になるのですが、『サーマルハーフジップ』の内側を見てください」