マンション大規模修繕 巨額“水増し”工事費の罠…!修繕積立金が足りなくなる「本当の原因」【マンション管理クライシス】
近年、多くのマンションにおいて、物価高などによる工事費の高騰から、修繕積立金が不足する事態が、大きな問題となっている。特に、大規模修繕において管理会社からは、想定を大きく超えた金額が提示されるケースも増えているという。しかし、そこには大きな「欺瞞」が潜む──。(*記事内容は編集部が保証するものではありません。実際のマンションの状況に合わせて考え方を参考にしてください) 【写真】「持ち家か賃貸か」「戸建てかマンションか」…ついに正解がわかった!
実際の工事費はそこまで上がっていない
一級建築士でマンションコンサルタントの須藤桂一氏が言う。 「工事費は確かに上がっています。しかし、問題なのは3しか上がっていないのに、7や10も上がったかのように、割高な工事費を管理会社や設計コンサルタントが正当化しやすくもなっている点です。 工事費については、国交省が毎月発表する建設工事費デフレーターの『建設補修』の項目によると、コロナ禍が始まった20年2月が108で23年12月は125です。この間の上昇は16%程度。仮に見積もりの説明で、想定額より3割や5割も工事費が上がっているようなら談合を疑い、設計コンサルタント会社が推薦する業者とは別の業者を独自に探してやり直すべきです」 実際、ある修繕系の施工会社によればコロナ前と比べても5~10%程度しか受注価格は上がってないという。その差額はどこに消えているのか、という話になる。 「そもそも、修繕工事はそこまで円安による物価高の影響は受けません。新築マンションなどの建築工事は大量の輸入資材を使うので確かに工事費は高くはなっていますが、修繕は実質的に人件費の割合が多くを占めていて、不幸なことに修繕系の職人さんの賃金はそこまで上がっていない。 工事費に占める割合が多い仮設工事は既存の資材を使い回し、修繕で使う塗料や補修に使うシーリングなどの材料費はそこまで高額ではなく、総工費に占める割合はごくわずかです。つまり修繕工事のコスト自体はそれほど上がっていないのです」(同)
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