あと数年で定年です。年金だけで裕福な生活を送るのは無理ですか?
定年退職を目前に控えると、心配になってくるのが「老後の年金生活」です。どれくらい年金を受給できるのかを含めて、年金だけで裕福な生活が送れるのかも気になる部分でしょう。また、自分の時間ができる老後に、趣味や旅行などを楽しみにしている方も多いと思われます。 そこで本記事では、老後に必要な生活費や受給できる年金額の目安を紹介します。裕福な生活が送れるとされる生活費もお伝えしますので、老後の年金生活をイメージする参考にしてください。 ▼年金が「月10万円」で老後が不安…持ち家で「貯金」と「退職金」があれば大丈夫? 生活費を試算
老後に必要な生活費
(公社)生命保険文化センターの「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」によると、夫婦二人で老後生活を送るために必要な生活費は月額の平均で23万2000円とされています。生活費に個人差があるとしても、20~25万円ほどは必要と考えられます。 また同調査で、ゆとりある老後生活費は月額の平均で37万9000円とされています。趣味や娯楽を楽しむなど、いわゆる裕福な生活を送るためにはプラスで15万円ほど必要になるでしょう。 一人暮らしの老後生活を想定するなら、生活費は二人暮らしの費用から単純に半分とは考えにくいです。その理由として特に分かりやすいのは、家賃や光熱費でしょう。 一人暮らしでそれぞれの費用自体は低くなるとしても、一人あたりの負担額は二人暮らしよりも大きくなることが多いからです。特に光熱費は生活人数が増えても、倍の料金とはなりません。
年金はどれくらい受け取れる?
将来受け取ることができる年金は、主に国民年金と厚生年金があります。国民年金は日本に住む20歳以上60歳未満全員が加入します。受給額は保険料を納めた月数に応じて決定され、令和6年度は満額で月額6万8000円です。 一方、厚生年金は厚生年金保険の適用を受けた事業所で働く人を対象としており、個人事業主は基本的に厚生年金に加入できません。そのため、個人事業主は国民年金のみとなり、将来的に受け取る年金額が少なくなるので、会社員以上に老後の資産形成を考えなくてはいけません。 厚生年金の受給額は、年収によって大きく異なります。厚生労働省の「令和4年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、国民年金を含めた厚生年金の平均受給額は65歳以上の男性で約16万円、女性で10万円ほどとされています。 夫婦二人暮らしの場合で月々に受け取れる年金額は、男女の平均受給額を合算すると26万円前後となります。 平均受給額で女性が大きく下回っているのは、労働社会における男女格差や育児などによる離職や休職が大きな理由でしょう。改善に向けた取り組みはされているものの、大きな社会問題の一つです。