推し活ブームを牽引するダイソーの開発力「専門の開発部門があるわけではない」 9割が自社開発だからこそ誰もが推し活担当に
■推し心を考え抜いたうちわの文字シール、当日の座席発表にも対応可能
痛バの大ヒットに象徴されるように、100円ショップならではの推し活の楽しみが、ハンドメイドでオリジナルの推し活グッズが作れることだ。バッグやアクセサリーのほかにも、缶バッジやキーホルダーなど、100円ショップで売られている商品だけで作れるアイテムがずらりと揃う。中でも、コンサートやイベントで長らくトレンドとなっているのがうちわだ。 うちわはペンライト同様、推し活の必需品だが、ダイソーでは自分でカスタマイズできるよう無地のうちわとステッカーなどを販売。さらに、推し活をしている社員からの提案で、飾るパーツについてもこんな工夫も施されている。 「ファンミーティングなどでは、当日、抽選で席が決まるケースも多く、その場合、アーティストに一番近い“神席”が当たった人は、推しとコミュニケーションを取るために、その場で目を惹くようなメッセージを描いた応援うちわを作るそうなんです。そのために、『エアハグして』という立体シールなど、会場で貼り付けるだけで簡単に作れるパーツを過去販売したところ、大好評でした」 それらオリジナルの推し活グッズをSNS上に公開する人も年々増加。岩橋さんも「お客様はグッズをカスタマイズするために、本当に上手に100円ショップを活用してくださっていて、ますますこの流れは拡大していくのではないかと思っています」と顔をほころばす。 また、ダイソーでは、社内の推し活もさかんだそう。声優の推し活をしている社員は、テレビの上に自社商品で祭壇を作ったという。もともと祭壇用の商品ではないグッズを使用して、その上にジョイントラックやディスプレイスタンドなどを飾って作り上げた祭壇を社内のコミュニティにアップロードしたところ、多くのいいねが付いた。また、ある社員は推し不在の誕生日会を自社の商品を使用して飾り付ける様子をアップするなど、社員自身が自社の商品を使用して推し活を楽しんでいる。