「静かな退職」はなぜ起こる?「静かな退職を選んだきっかけ」や「平社員の平均年収」を解説
「静かな退職」とは、仕事にやりがいを見いだしたり熱意を持ったりせずに、決められた業務のみをこなす働き方のことです。 ▼勤続20年でも年収は「280万円」貯蓄も「30万円」しかないのは少なすぎ!? 転職したほうが良いの? 人はなぜ、静かな退職を選択するのでしょうか?本記事では、静かな退職が起こる背景や理由について、働き方改革や平社員の平均年収などにも触れながら解説します。
静かな退職とは?
静かな退職とは、仕事への意欲を持たずに必要最低限の業務を淡々とこなす働き方を指します。実際に退職するわけではありませんが、キャリアアップや昇給などを求めることもなく、まるで退職したかのような心の余裕を持って会社に在籍し続けるのが特徴です。 2022年に米国のキャリアコーチ、ブライアン・クリーリー氏がSNSで提唱したことをきっかけに、仕事を人生の中心にしない働き方の概念として「Quiet Quitting」という言葉が世界中に広まりました。 この「Quiet Quitting」を日本語に訳した言葉が「静かな退職」であり、「頑張り過ぎない働き方」ともいわれています。
静かな退職はなぜ起こる?
株式会社マイナビが20~59歳の男女3000人を対象に実施した調査によれば、「静かな退職をしている」と感じている人は48.2%と、約半数に上りました。 また、Great Place To Work® Institute Japanが20~59歳の男女6998人を対象に実施した調査では、静かな退職をしている人について下記のような回答結果が得られました。 ●静かな退職をしている人の30.7%は34歳以下の若手社員である ●静かな退職を選んだきっかけは「仕事よりプライベートを優先したいと思うようになった」が38.2%、「努力しても報われない」が27.3%と特に多い ●71%の人が、働き始めてから静かな退職を選択した 静かな退職が起こる背景の一つとして、働き方改革の推進とともに、ワークライフバランスを重視する若者が増えていることが挙げられます。 ただし、実際に静かな退職をしている人のうち7割以上は、入社後にその選択をしています。つまり、プライベートを重視する人が、就職前から静かな退職をしようと決めているとは限らないのです。 また、3割近くの人が「努力しても報われない」と回答していることから、仕事に見合う評価や給与を得られない労働環境が、静かな退職につながるケースもあると考えられます。