【梅雨の時期の薬膳】湿気で体もどんより…「ダル重」改善に役立つ食品・調理法は?
今年は全国的に梅雨入りが遅れた地域も多いようですが、これから本格的な夏にかけての時期は湿度が高く、温度も上がってくるので「なんとなく体調が悪い」という人が多くなります。こういった「病気まではいかない不調」には、薬膳を取り入れた食事が役に立つかも! 【画像7枚】梅雨時期の「湿邪」による“だる重”改善のためにおすすめな食べものをイラストで。体内の気の巡りをよくしていこう! 管理栄養士で薬膳コーディネーターの資格ももつ宮崎 奈津季さんに、薬膳で「ダル重」を改善するヒントを教えてもらいました。
梅雨ってどんな時期?何に気を付けると良い?
こんにちは、管理栄養士・薬膳コーディネーターの宮崎 奈津季です。 梅雨の時期は、なんとなく体の不調を感じる方も多いのではないでしょうか。その原因の一つとして、気圧の変化や急激な気温差による自律神経の乱れで、だるさを感じてしまうということがあります。 また、雨が続き湿度が上がった状態だと、水分代謝が低下します。これによりむくみや頭痛、食欲不振などの不調が現れるのです。 ⚫︎梅雨の時期の体調不良の原因のひとつ「湿邪」とは 中医学では、病気を引き起こす原因を「邪気」、自然界にある邪気が侵入し、病気の原因となっていることを「外因」と呼びます。よく見られる外因の邪気は6つあり、これを「六淫(りくいん)」と呼んでいます。その中の一つとして「湿邪」があり、これが梅雨にある邪気です。 「湿邪」により体内の気の巡りが悪くなることで、むくみや食欲の低下などの症状が見られます。そのほかにも体のだるさや関節の痛み、下痢などの症状も多く現れます。 ⚫︎食事で「脾」をいたわる 中医学では、体を「肝・心・脾・肺・腎」の五臓として考えます。この中で梅雨の時期に弱まるのは「脾」とされており、食物の消化、吸収をしたり、血流のコントロールをしたりといった生理機能があります。 「脾」が弱まると消化機能が落ちて食欲不振になったり、胃もたれなどの原因となるので、梅雨の時期は脾をいたわり、胃腸の機能を高めていくことが大切です。 ※中医学での「五臓」は、西洋医学での臓器を直接指すものではありません。例えば「肝」=「肝臓」というわけではない点に注意してください。